研究概要 |
当初の研究計画に沿って着実な成果をあげることができた。それらについて以下に略記し、各項目について成果報告の形態(国際会議,学会,論文発表)を付記する。 (1)自己無撞着大振幅集団運動理論の時間依存ハートリーフォック法に基づく古典論的定式化が完成し、大振幅集団運動の存続安定条件の基準を具体的に定式化することができた。この基準と秩序正しい運動(集団運動)と無秩序運動との転換のダイナミカルな構造との関連についての研究が目下進展中である。(国,学,論) (2)すでに完成した古典論的定式化を発展させた形で展開された大振幅集団運動理論の量子論が一応定式化され、簡単なモデル計算を行うことによって、この理論の妥当性が確認された。(国,学,論) (3)四重極振動運動の非調和性を"原子核の平均場の自己無撞着性"を正しく考虜することによって研究し、従来解析困難といわれてきた典型的な諸実験事実をボソン展開法によって明快に解明でき得ることを示した。さらに、この"自己無撞着性"に基づいて、三体・四体有効相互作用の構造が解明されその効果についての数値的計算が可能となった。(学,論) (4)平均場の"自己無撞着性"を厳密に考慮した回転運動の量子論の定式化が試みられた。また、大振幅集団運動理論を回転運動に具体的に適用する試みが行われた。(学,論) (5)相対論的ハドロン多体論に基づいた核子間相互作用の解析を進めた。(学,論)
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