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1986 年度 実績報告書

原子核の磁気遷移及びガモフ・テラー型遷移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 60540168
研究機関東京大学

研究代表者

清水 清孝  東大, 理学部, 助手 (00143363)

研究分担者 日向 裕幸  慶応大学, 理工学部, 助教授 (70126150)
矢崎 紘一  東京大学, 理学部, 教授 (60012382)
有馬 朗人  東京大学, 理学部, 教授 (40011465)
キーワードガモフ・テラー型遷移 / テンサー相関 / 二粒子・二空孔励起 / 連続状態RPA / クォーク交換流 / 相対論的効果
研究概要

最近の話題として(P,P')の実験によるスピン偏極量の測定があり、この問題は我々の研究テーマである磁気遷移及びガモフ・テラー型遷移と密接に関連しており今年度はこの問題を中心に研究を行ってきた。高エネルギーの陽子の擬弾性散乱であり、終状態が連続状態であるため応答関数の計算で連続状態のRPA方程式の定式化を行い具体的な数値計算を行った。そしてパイオン凝縮の前駆現象等の効果を有限核で検討した結果、従来の核物質での結果とは定量的にかなり異なる結論を得た。より詳しい議論の展開には二粒子・二空孔状態の考慮や交換流の影響まで必要と思われる。これは来年度の主要テーマと考えている。従来のテンサー相関の効果は中性子数N=陽子数Zの原子核で評価されていたのであるが、ガモフ・テラー型遷移及び磁気遷移の実験はN≠Zを標的核として行われておりそこでのテンサー相関の効果はきちんと再評価する必要がある。今回は【^(48)Ca】において磁気遷移及びガモフテラー型遷移に対して定量的に評価した。従来の交換流は主に中間子自由度の影響であったが核子がクォーク・グルオン系であるために生じる交換流をクォーク・クラスター模型を使って詳細に調べた。結果は核子の大きさをどう評価するかに依るのであるが、軽い原子核のガモフ・テラー型ベータ崩壊に対して数パーセントの補正を与えることがわかった。これは従来の交換流及びテンサー相関による影響と同じ程度の効果である。磁気モーメントに対する相対論的効果を有限核で行った。結果はアイソスカラーの磁気モーメントに対してω×ソン交換によるRPA型の補正が重要であり、これを考慮すると補正はかなり小さくなる。しかし従来のρ-ω中間子交換流よりは大きな効果であることがわかった。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] A.Arima;H.Sagawa: Physics Letters B. 173. 351-354 (1986)

  • [文献書誌] H.Odawara;O.Morimatsu;K.Yazaki: Physics Letters B. 175. 115-119 (1986)

  • [文献書誌] Y.Koike;K.Yazaki: Physics Letters B. 179. 332-336 (1986)

  • [文献書誌] A.Arima;K.Shimizu;W.Bentz;H.Hyuga: Advances in Nuclear Physics. in print.

  • [文献書誌] K.Shimizu: Nuclear Physics A. in print.

  • [文献書誌] Y.Akiyama;K.Heyde;A.Arima;N.Yoshinaga: Physics Letters B. 173. 1-4 (1986)

  • [文献書誌] S.Takeuchi;K.Shimizu: Physics Letters B. 179. 197-200 (1986)

  • [文献書誌] A.Arima;K.Yazaki: Physics Letters B. 183. 131-134 (1987)

  • [文献書誌] T.Otsuka;N.Yoshida;P.van Isacker;A.Arima;O.Scholten: Physical Review C. 35. 328-332 (1987)

  • [文献書誌] S.Ichii;W.Bentz;A.Arima: Nuclear Physics A. 464. 575 (1987)

  • [文献書誌] M.Oka;K.Shimizu;K.Yazaki: Nuclear Physics A. 464. 700 (1987)

  • [文献書誌] K.Yazaki: Nuclear Physics B. 279. 81-96 (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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