研究課題/領域番号 |
60540184
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
若泉 誠一 広島大学, 理学部, 助教授 (90033886)
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研究分担者 |
林 武美 呉工業高等専門学校, 教授 (50033832)
小平 治郎 広島大学, 理学部, 助手 (40127080)
米沢 穣 広島大学, 理学部, 助教授 (70033800)
牟田 泰三 広島大学, 理学部, 教授 (80025353)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 弱電磁相互作用 / 輻射補正 / 弱電磁理論 / 弱電磁相互作用の高次効果 / ワインバーグ・サラム理論 / 弱電磁過程における輻射補正 / 稀崩壊 / トップ・クォーク |
研究概要 |
弱電磁相互作用を記述するSU(2)XU(1)標準理論を諸種の弱電磁過程によって検証し、且つその、場の理論的側面を高次効果の研究によってテストするのがこの研究課題の目的である。この課題のもとに、e^+e^-→W^+W^-反応における1ループーレべルでの輻射補正の研究と、高次効果としてあらわれるK(B)中間子などの稀崩壊過程の研究をおこなった。 1.弱電磁過程の1ループーレべルの振幅を計算するための、一般的な積分公式を3点関数および4点関数についてつくった。更に、e^+e^-→W^+W^-にあらわれるような3ーべクトル・ボゾン結合、および終状態が2個のべクトル・ボゾンからなる反応を記述する最も一般的な振幅の記述形式を得た。これらの結果を用いて、振幅を計算機によって代数的に生成するプログラムを開発し、e^+e^-→W^+W^-の頂点関数への1ループ補正およびボックス型ダイアグラムに対する振幅を計算した。そして、軟光子放出振幅を計算し、また、ボックス型のダイアグラムから赤外発散を解析的に分離する処法を確立した。 2.e^+e^-→W^+W^-反応に対するWーボゾンの崩壊巾の全断面積への効果を計算し、その効果が大きい所で5%程度あることを見出した。また、超弦模型から予想される余分のZ^0ーボゾンがe^+e^-→W^+W^-過程に与える効果を解析し、特徴的な効果の存在することをつきとめた。 3.弱電磁相互作用の高次効果としておこる稀現象のうち、K^+→π^+νν^^ー崩壊、Z^0ーボゾンのflavor-changing崩壊、k^0(B^0)中間子のCPー不変性を破る崩壊、B^0ー<B^0>^^^ー混合においては、トップ・クォークおよび重いクォークの影響が多大にあらわれることがわかった。 今後、軟光子放出つづいて硬光子放出を含めたe^+e^-→w^+w^-過程の断面積を数値的に計算し、将来の加速器実験による検証にゆだねられるように結果を得る予定である。
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