研究概要 |
陽子-原子核反応:陽子を原子核に衝突させると核は励起する。その際の相互作用は自由空間のものとは異なる。パウリ効果を取り込む為にG行列計算を行い有効相互作用を導出し、さらには実際に反応の断面積を計算した。ロスアラモスで得られたスピン応答関数の計算をいろんな効果(核表面効果,アイソスピン混合,縦横スピン相互作用の混り)を取り込んで行った。それらの効果により実験結果が説明出来る事を示した。 反陽子-原子核反応:50MeVの反陽子の光学ポテンシャルを実験データから導出した。非常に強い虚数ポテンシャルが得られた。さらに(【p!~】,【n!~】)反応をカスケードモデルを使って計算した。前方の角分布には実験と理論に食い違いがある事を示した。 パイ中間子-原子核反応:パイ中間子吸収において△アイソバーエネルギー領域では二体に加えて三体の過程が重要である事を示した。さらに四体過程も計算しその大きさは小さい事を示した。(【π^+】【π^-】)荷電交換反応をデルタアイソバー過程を通して計算した。DINT及びDSEQ過程だけではデータが再現されない事を示した。次の次数のものを考慮する必要性がある事を指摘した。 重イオン-原子核反応:パイ中間子放出核融合反応をクラスターモデルを使って計算した。実験の傾向を再現する事を示した。その際クラスター効果は非常に重要である事を強調した。高いエネルギーでの原子核反応をカスケードモデルで計算した。パイオン多重度の問題、Sidewavd flowの問題なのがこのモデルで計算すると自然に説明出来る事が分かった。さらに難度を上げてやるべき実験の指摘を行った。 核子の構造:核子のモデルとしてカイラルバックとスキルミオンの複合モデルを構築した。スピン-アイソスピンの射影法として集団座標につけ加えて生成座標の方法を提案した。
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