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1986 年度 実績報告書

高密度近藤系の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60540201
研究機関名古屋大学

研究代表者

長岡 洋介  名大, 理学部, 教授 (60022539)

研究分担者 三宅 和正  名古屋大学, 理学部, 助手 (90109265)
松浦 民房  名古屋大学, 理学部, 助教授 (10022609)
黒田 義浩  名古屋大学, 理学部, 助教授 (60013504)
キーワード高密度近藤系 / 重いフェルミ粒子 / 電子間引力 / 異方的超伝導 / 電子格子相互作用 / スピンのゆらぎ
研究概要

高密度近藤系はセリウムやウランを含む化合物で実現されており、これらの系では伝導電子が多体効果(近藤効果)によって、著しく大きな有効質量をもつ重いフェルミ粒子となることが知られている。また、これらの物質のあるものは低温で超伝導になるが、その性質は通常の超伝導体と異なり、異方性を示す。今年度はこのような異方的超伝導を引き起こす電子間引力の起原の問題を中心課題として研究をすすめ、つぎのような成果を得た。
(1)電子格子相互作用による引力
重いフェルミ粒子の状態は、伝導電子と局在電子スピン間の相互作用の効果によって形成される。格子振動によりこの相互作用が変化すると、重いフェルミ粒子状態がその影響を受け、"電子格子相互作用"が生じる。この相互作用により格子振動が2電子(重いフェルミ粒子)間に引力を媒介する。しかし、ここでは上記の多体効果のために、通常の超伝導体におけるような静的な取扱いでは引力は生じず、動的効果が基本的に重要な役割を果す。
(2)スピンのゆらぎによる引力
スピンのゆらぎが粒子間に引力を媒介する場合があることは、液体ヘリウム3の超流動において知られている。重いフェルミ粒子系でも同じメカニズムが働く。しかし、液体フェルミ3と違ってこの場合のスピンのゆらぎは反強磁性的である。反強磁性的なスピンのゆらぎによる電子間引力の性質を検討し、それがスピン一重項の異方的電子対の形成に有利に働くことを示した。その結果生じる超伝導状態は、上記物質の示す諸性質をよく説明する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Jichu: Physical Review. B35. 1692-1699 (1987)

  • [文献書誌] K.Miyake: Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 63&64. 411-419 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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