研究課題/領域番号 |
60550014
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
南 内嗣 金沢工大, 工学部, 助教授 (70113032)
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研究分担者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
南戸 秀仁 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (30133466)
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キーワード | 透明導電膜 / 酸化亜鉛 / マグネトロンスパッタ / 透明電極 / オプトエレクトロニクス |
研究概要 |
本研究では、その目的とする1Ω/ 以下のシート抵抗を有する透明導電膜の実現のため、各種透明導電膜の物性を理論的並びに実験的に解明しつつ、材料および作成技術等の開発を進めている。。今年度は、1Ω/ 以下のシート抵抗を得るための成膜技術を確立する目的で、プラズマ集束用磁界印加形マグネトロンスパッタ法によって作成したITOおよびZnO系透明導電膜の物性を評価しつつ、成膜技術の改良を進めてきた。同時に、理論的な検討を進め、新しい成膜法として、ターゲット表面反応制御形スパッタ方式を開発した。また、材料面からはZnO系透明導電膜用の新しいドーパントとして、【IV】族不純物の効果を詳細に検討した。さらに、作成方法での厚膜化と共に、より高性能透明導電膜を得る他の一つの試みとして、各種の材料の透明導電膜を多層化する効果について検討している。以上の結果、これまでに次のような研究成果を得ることができた。 1.ZnO系透明導電膜の作成においては、スパッタ中の基板表面温度を常に一定に維持することが重要であり、基板温度180℃〜220℃において最も高性能の透明導電膜が得られることがわかった。 2.新しくターゲットの表面反応を制御するスパッタ法を開発することにより、不純物ドープZnO透明導電膜の高性能化と高速成膜技術を確立できた。 3.各種透明導電膜の多層化並びに金属薄膜との多層化を試みた結果、化学的安定性の向上および低シート抵抗化が可能であることを確認できた。 4.新しいZnO用のドーパントとして【IV】族元素のSiが最適であり、ほぼ【III】族不純物の最適ドーパントであるAlと同程度の特性を実現できることを明らかにした。これにより、【III】族元素を全く使用しない高性能透明導電膜が開発できた。
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