〔回転流路内の流れの可視化〕スモークワイヤ法による流れの可視化を試みた。撮影のための時間遅延回路は、C-MOS ICと555タイマを使用し、遅延パルスの間、555による単安定回路が再トリガしないように、555の前段にC-MOSゲートによる単安定マルチバイブレータ回路を付加した。可視化の結果、1)主流の回転方向速度こう配が回転角速度の2倍であること、2)境界層の発達が高圧力側で抑制され、逆に低圧力側で促進されること、3)高圧力側で側壁中央から上下壁に向かう二次流れが生じること、4)低流量領域で高圧力側に逆流領域が生じること等が観察された。このように流路全体の流れを定性的に把握することができ、より詳細な定量的測定を必要とする領域を決めることができた。 〔回転系と静止系の間の測定システムの開発〕速度測定のため市販の定温度型熱線流速計2台を回転テーブル上に搭載した。流速計の出力電圧を周波数に変換し、さらに光変換を行なった。変換器はAD650を利用した。光変換の発光素子としては超高輝度LEDを使用した。光は、回転軸延長上の静止系に固定した受光素子で電気信号に変換し、受信した周波数を再び電圧に変換した。変換の周波数応答を高めるために、フェーズ・ロックド・ループ回路を試作した。LEDと受光素子間の信号伝達可能範囲が広く、素子の厳密な位置決めを必要としない。 測定プローブの移動は、静止系からコンピュータで制御できるステッピングモータによって行ない、位置検出には静電容量方式のノギスを利用し、データはRS-232Cでコンピュータに取り込むことができる。実験の結果、主流の乱れ値は回転の有無に関係なく0.3以下であること、また主流の回転軸方向こう配も小さく、本研究の目的を達成するのに十分な流路入口条件であることを確認した。
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