研究概要 |
多段遠心ターボ機械の次段の羽根車へ戻り流路を通った流れを半径方向から軸方向に導くLターン部等、軸対称Lターン流路はターボ機械の重要な構成要素である。本研究は上述のLターン流路内の旋回流れの挙動を明らかにすることを目的とする。 流路幅bが一定(40mm)で、曲がり部の曲率半径RoをRo/b=2,1.5,1の3種類の供試流路内の流れを調べた。実験には空気流を用いており、流れは平行円板部から曲がり部をへて軸流環状流路に導かれる。流れの旋回は平行円板外周に設けられた整流羽根で与えられ、円板部2個所、曲がり部中央1個所、環状流路部5個所の計8個所で流路内の流れを3孔ピトー管で測定した。流路壁面に沿う静圧分布の測定も行った。実験は曲がり部上流の旋回流れの平均流入角【(~!α)_0】=70°以下で行った(【(~!α)_0】は周方向ら測定)。 本実験範囲の平均流入角【(~!α)_0】では、3種類の供試流路内の流れはあまり相違しない。【(~!α)_0】が小さい場合には、流路内壁に沿う二次流れの発達が大きい。【(~!α)_0】が大きい場合には、各供試流路内のメリディアン速度成分はポテンシャル解とかなり良く一致する。なお、曲がり部外壁面に沿う流れのはく離は生じていない。 流路内の壁面静圧分布は【(~!α)_0】が大きい場合には損失のない理論解とほぼ一致するが、【(~!α)_0】【〜!<】30°では二次流れにより理論解とかなり相違してくる。 【(~!α)_0】による全圧損失係数ξとの変化は流路形状による相違はあまりないが、【(~!α)_0】【〜!<】30°でξが著しく増大してくる。 上述のようにこの種の流路内の流れの挙動を明らかにすることができたが、【(~!α)_0】【〜!<】70°の本実験範囲ではLターン流路内のはく離限界を明らかにすることができなかったので、【(~!α)_0】のさらに大きい場合について今後研究を進める予定である。
|