研究概要 |
本研究は「1.群小部分放電(以下SPMDと略称)の物理(現象とその機構)を調べる研究」と「2.部分放電劣化(以下PD劣化と略称)を放電化学作用から調べる研究」とに大別される。これを別添研究成果報告書として次のようにまとめた。 研究成果報告書の構成:第1章本研究の目的および概要:第2章Theory ofLissajous Figure and Its Application of Partial Discharge Test,第3章Behavior of Internal Partial Discharges and its change with ageing time in the CIGRE Method I Electrode,第4章Aproposal on Mechanism of Partial Discharge Deterioration of Organic Insulating Materials,第5章Mechanisms of Internal Partial Discharge Deterioration of Organic Insulating Materials第6章Frequency Acceleration of Internal Partial Discharge Deterioration ofEpoxy Resin Using ClGRE Method I Electrode上記のうち2,3,4,6章の概要は昭和60年度研究実績報告書に記載したのでここでは第5章のみについてその概要を記載する。 本章は密閉ボイド中PD劣化で、(1)PDが通常のPDから、時間とともに群小部分放電に移行する原因,(2)密閉ボイド中では劣化の主役と考えられる【O_2】が材料の酸化に消費され、その後は酸素不足の状態となると考えられるにも拘らず、劣化が進行する原因,の2つの項目を追及している。研究の結果次の結論を得た。(1)密閉ボイド部分放電の経時変化における群小部分放電への移行は、【O_2】が絶縁物の酸化に消費されることによる、ボイド内【O_2】濃度の低下が主な原因と考えられる。(2)ボイド内の【O_2】は絶縁物の酸化に消費され減少しても、その後絶縁物の分解ガスとして生じる。【CO_2】,【H_2】Oが再びPDにたたかれて解離することによって【O_2】が再生し、ボイド空間に供給されるため【O_2】は消費し尽くされない。その結果絶縁物の酸化劣化は停止することなく、破壊に至るまで継続しておこる。
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