光フアイバ損失が最低となる波長1.5μmの半導体レーザと、室温で動作が可能な最高の移動度を持つGaInAs結晶のトランジスタとをモノリシック集積することにより、光通信およびコンピュータの性能を飛躍的に向上させることを目指し、有機金属気相成長法(OMVPE)で形成する、高速トランジスタ、および、発振電流しきい値の低いレーザを研究し、1.初めてのOMVPEによるGaInAsMOSFET動作成功。 2.新原理による超高速トランジスタの提案 1ピコ秒以下のスイッチ時間を実現できる電子の波動性を用いるトランジスタの概念を提案。 3.OMVPE GaInAsの電子平均自由行程を初めて測定 電子の平均自由行程を250nm以上と測定。OMVPEによるGaInAsが新原理のトランジスタ材料として有望であることを明らかにした。 4.OMVPE結晶の高性能化 レーザ発振しきい値電流密度、1KA/c【m^2】を達成。 5.OMVPEによるデバイス技術 液相成長法に替わるOMVPEによる埋め込みプロセスを開発し、初めて全有機金属気相成長法埋め込み構造レーザを実現。 6.量子サイズ効果による低しきい値電流化 GaInAsPでは初めて、量子井戸レーザ発振を達成。 7.位相シフト分布帰還形レーザ 集積レーザ、高性能な光通信用光源として重要な位相シフトを導入した分布帰還レーザは我々が初めて実現し、本研究では、理論的設計指針を得、より完全な単一モード動作を得た。今後は、本研究を通して着想を得た新しい原理による超高速トランジスタの研究を、OMVPEによるGaInAsを用いて展開していく。
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