研究概要 |
n型Siチップ上に、主ダイオード【P_1】iNと補助ダイオード【P_2】iNとを、【n^+】領域Nを共有する形で形成し、その後、Siチップの全部又は一部を高抵抗率化させるために、Auを拡散して、Pin形三端子Si磁気センサを作製。主ダイオードと補助ダイオードのどちらも二重注入状態にして動作させるので、ホール電圧の発生が抑制され、キャリアは、磁場Bにより曲げられ易くなる。主ダイオードのN電極から注入された電子を、正に印加した【P_2】電極に捕集するが、この捕集量は、【P_2】電極の位置;形;電位,磁場Bの大きさと向き,主ダイオードの電極間隔や温度等により変化する。磁気感度は、主ダイオードの磁場Bによる抵抗変化として算出する。 本研究は、このような新しい形の三端子シリコン磁気センサに関するもので、次のような成果が得られた。 1.主ダイオードの電圧-電流特性(【V_1】-【I_1】特性)は、次のA,B,Cの三領域に分割可能。電圧【V_1】の小さい方から、A:【I_1】【V(-1^2)】の領域,B:【I_1】【V(_1^5)】の領域,C:【I_1】【V(_l^3)】の領域。各領域において、【P_1】-N間隔Lが大きい場合、【I_1】【V(_1^m)】とするmの値が大となる。二重注入開始電圧は、Lampert-Rose理論で説明できる。 2.センサの感度は、磁場B=1KGにおいて、L=100μmで、抵抗変化率ΔR/Ro≒0.3,L=200μmでは、ΔR/Ro≒0.2となる。 3.センサの消費電力は、ほぽ補助ダイオードの消費電力となり、L=100μmでは、15mW以下となる。
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