研究課題/領域番号 |
60550353
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
軽部 大蔵 神戸大学, 工学部, 助教授 (70031078)
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研究分担者 |
田中 泰雄 神戸大学, 工学部, 助手 (40144597)
谷本 喜一 神戸大学, 工学部, 教授 (80031037)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 不飽和土 / サクション / 有効応力 / 構成方程式 / 三軸圧縮試験 / テンシオメーター / 毛管領域 / ストレスプローブ試験 |
研究概要 |
本研究は、不飽和土の有効応力を明確な役割分担のある2つの成分から成る複合体として定義した後、この立場から不飽和土の応力・ひずみ式を導くことを主たる目的としている。従来の研究では、目的とする理論開発に十分な実験資料がないので、本研究ではまず不飽和土用の三軸圧縮試験機を従来の飽和土用試験機をベースとして開発した。不飽和土では、水の移動に時間がかかるために、段階応力制御式の長時間載荷が必要となる。そのために、試験機をパーソナルコンピューターとデーターロガーで完全自動制御・自動計測化した。 理論開発については、当初の考えは、ひずみを支配する有効応力として、「全応力-間隙空気圧」を主とし、補助的な有効応力として、含水比とひずみ式の土質定数を支配するサクションを想定していた。研究の結果は、当初の考えが概ね妥当であったことを示しているが、土の降伏条件式では、サクションも「全応力-間隙空気圧」と同格の役割を果たすことがわかった。オリジナル・カムクレイ・モデルを不飽和土に拡張した弾塑性モデルを導き、これをストレスプローブ試験で検討した。その結果、原型モデル固有の適用限界の他は、拡張モデルが妥当であることが示された。 誘導した応力・ひずみ式を現場に適用するためには、現場サクションの測定が必要である。現在、建設工事や斜面安定管理のためのサクション測定は2、3の研究者が試みている段階である。本研究では、テンシオメーターを改良し、それを高さ2m、直径30cmの円筒土槽に埋設して、毛管領域中のサクション等を測定した。その結果、テンシオメーターは毛管領域内では十分な実用性を有するが、1気圧以上のサクションにさらすと再び毛管領域に入っても十分な働きをしないことが明らかとなった。サイクロメーターの併用とテンシオメーターの改良が必要である。
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