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1986 年度 研究成果報告書概要

非線形海岸波浪の量子化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60550363
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 水工学
研究機関京都大学

研究代表者

土屋 義人  京大, 防災研究所, 教授 (90025883)

研究期間 (年度) 1985 – 1986
キーワード海岸波浪 / ソリトン / エネルギー分布 / 統計理論 / Kdv方程式
研究概要

浅海における波浪は、一般に非線形性と分散性とがバランスして、たとえばソリトンモードを主体とする構造を形成することがわかってきたので、その一般的表示を求めるため、Stokes波の量子化とkdv方程式によるソリトン解に注目して、量子力学的手法にならって、波浪ソリトン群の統計理論を試みたが、得られた成果は次のように要約される。
1)Stokes波の量子化については、そのHamiltonian表示によるSchr【o!¨】dinger方程式の解を求めて、エネルギー分布を定式化した。また、Kdv方程式についても、ソリトンモードに対して、同様エネルギー分布を求めることができた。
2)非線形不規則波がソリトンを基準モードとするコヒーレントな力学構造を形成しているとの観点から、ソリトンモードによる波浪の統計理論を展開し、力学および統計理論に基づいた波浪ソリトン群の統計理論を試みた。ついで、1つのストームをカバーする現地波浪の観測結果を用いて、かなり広い海象条件下おける波浪ソリトン群の適用性を検討した結果、うねり性の波浪のみならず、発達および最盛期の風波や砕波を含む波浪に対しても、十分この表示が有効であることを示すとともに、その伝播特性も明らかにした。
3)ソリトン群による波形表示の適用性は、Urcell数が10以上のかなり強い非線形性を有する波浪に対して最もよく、とくに砕波を含む波浪に対しても有効であることが示された。
4)海象条件により、波浪ソリトン群の固有値分布には、3つのパターンが存在し、それらは波浪の伝播において保存されることがわかった。また、規準化された波浪ソリトン群のエネルギー分布は、固有値分布と異なり、一定の分布形となり、理論的に求められたエネルギー分布にかなり近いことが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 土屋義人,安田孝志,篠田成郎: 京都大学防災研究所年報. 第29号B-2. 691-716 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 土屋義人,安田孝志,篠田成郎,植本実: 第33回海岸2学講演会論文集. 11-15 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Yasuda,T.,N.Nakashima and Y.Tsuchiya: Proc.20th International Conference on Coastal Engineering,ASCE. (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tsuchiya, Y., T. Yasuda and S. Shinoda: "Random multi-solitons in shallow water and their statistical theory" Annuals, Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University. No. 29B-2. 691-716 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tsuchiya, Y., T. Yasuda, S. Shinoda and M. Uemoto: "Wave propagation in surf zones and soliton modes" Proc. 33rd Japanese Conference on Coastal Engineering, JSCE. 11-15 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yasuda, T., N. Nakashima and Y. Tsuchiya: "Grouping waves and their expression of asymptotic envelope soliton modes" Proc. 20th International Conference on Coastal Engineering, ASCE. (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1988-11-09  

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