研究課題/領域番号 |
60550398
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
黒羽 啓明 熊本大, 工学部, 教授 (30040372)
|
研究分担者 |
越智 健之 熊本大学, 工学部, 助手 (20145288)
山成 實 熊本大学, 工学部, 助手 (90166760)
小川 厚治 熊本大学, 工学部, 助教授 (80112390)
牧野 雄二 熊本大学, 工学部, 助教授 (70040433)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | 鋼管 / トラス / 分岐継手 / 座屈 / 終局耐力 / 変形性能 / 履歴性状 / 耐震設計 |
研究概要 |
薄肉鋼管部材を用いたトラスは強剛で軽量であるが、地震時の変形性能・エネルギー吸収能力は小さいと言われている。ただし、不静定次数を大きくしたトラスは例外である。このような鋼管トラスが繰返し大変形をうけるときの耐力・変形性能が本研究のテーマである。 溶接K継手をもつ鋼管トラスの履歴特性に関する一連の実験を行った。観察された崩壊モードは、腹材の座屈、継手の破壊などであり、これらは繰返し載荷が進むと共に互いに相関しながら進行した。主要な研究項目は、腹材の座屈長さ、腹材およびトラスの座屈後の挙動、およびトラスの崩壊における継手の役割である。 本研究から次の結論が得られた。 1.ここに実験した全トラスは、腹材の座屈後も急激な耐力低下がなく安定した変形性能を示した。この原因は弦材に耐力の余裕があったからである。トラスにおける弦材を比較的に強くすることは、激震下にトラスの特定のパネルに損傷が集中して脆性的な破壊を起すことを防ぐために有効である。 2.腹材の座屈および座屈後挙動を明らかにすることができたので、これをトラスの非線形解析に取り入れた。一般化塑性ヒンジ法による解析は、トラスの履歴性状を追跡するために有効な手法であり、かつ動的応答解析に直ちに応用可能であることが分った。本研究における解析は、マイクロコンピューターで実行できたことも注目に値しよう。 3.継手耐力は腹材の座屈によって低下するので、継手は腹材の座屈耐力よりも大きくなるように設計するべきである。しかし、継手は安定した変形性能を保有することから、激震時に継手が一定の損傷を受けることは許容できる。
|