研究概要 |
建築物の熱的シミュレーション,空調制御システムのシミュレーション,人体温熱環境のシミュレーションの3者を合体させた建築空調総合評価を可能とするための基礎として、隙間風の研究,家具熱容量の研究,学校暖房環境の実測および理論研究,空調システムから人体環境までを総合したシミュレーション法について研究した。 1.隙間風負荷の実測 居室に面する扉の出入時における隙間風の侵入量に関する実験を行った。室内外温度差及び出入時に於ける個人差,ドアチェック強さのバラツキなどを統計的に考慮して隙間風量算定法を見い出した。 2.家具類の熱的効果 事務所建築における家具類の種類,量,使われ方を実態調査するとともに代表的家具10数種について断熱室内での加熱実験により熱的遅れ特性を実験解析した。これらの熱的データをもとに空調熱負荷計算体系への組み入れ方,および組み入れたときのシミュレーション結果について検討した。 3.学校暖房環境の実測を中心とした研究 大学の研究室,講義室における目照室温や実際に授業を行っているときの温湿度変動,輻射温度変動,垂直温度分布変動などを実測した。室内の【CO_2】濃度変動も調査し、直接暖房方式の室内汚染度の高いことを認めた。計算機シミュレーションにより実測室温変動の検証も行った。 4.空調システムから人体環境までを含む総合シミュレーション 空調システムの基本的パターンを分類し、空気線図上の変化を計算機の中でシミュレイトさせ、建物については時系列フィルター係数であるレスポンスファクター法を用いて伝導,輻射の熱平衡式を立て、熱環境はFanger PMVを適用したプログラムを構築した。
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