研究課題/領域番号 |
60550407
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 俊行 九大, 工学部, 助教授 (60038106)
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研究分担者 |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
浦野 良美 九州大学, 工学部, 教授 (90037698)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 防暑住宅 / 地盤熱容量 / 接地床方式 / 床下換気 / 伝統的民家 / 土間 / 竹座 / 冷輻射 |
研究概要 |
本研究の目的は、防暑住宅における地盤冷熱の利用法として、断熱層のない接地床スラブ方式と、床下から居室を経て小屋裏へ至る通気方式の有効性を明らかにすることである。 (1)九州北部の伝統的民家では、(a)外壁開口部を昼間閉じて夜間開けた場合、夜間外気の蓄冷効果により昼間の室温を低く維持できること、(b)居室のなかでは土間のグローブ温度が最も低く、土間を断熱するとその冷輻射効果は明らかに失われること、(c)竹座床では床下冷気の浸入による室温低下が期待されること、南西諸島の伝統的民家では、(d)年平均気温が高いので地中温度も比較的高く、地中冷熱利用は余り期待できないため、日射遮蔽と通風により暑さを凌ぐ方法が有効であること、韓国の伝統的民家では、(e)温突の構造上の制約から地中冷熱を積極的に利用することができず、夏には通風のよい楼抹楼や大庁などの板間を生活の中心としていること、などが分った。 (2)地盤-建物連成系の伝熱解析プログラムを作成し、接地床方式における地盤周りの最適断熱方法を検討した。その結果、(a)基礎壁外側を断熱して地盤の熱容量をとりこむことにより、夏季(或いは冬季)における自然室温の上昇(或いは降下)を抑止できること、(b)床冷暖房と組合せた場合、断熱方法の違いによる除去及び供給熱量の差は認められないが、基礎壁外側を断熱することにより中間季の快適自然室温形成が容易なこと、などを指摘した。 (3)室間相互換気を考慮した多数室室温変動解析プログラムを作成し(a)床下→居室→小屋裏換気経路を有する住宅モデル、(b)接地床方式の省エネルギー実験住宅、(c)土間のある単純民家モデルを対象として、夏季の室温変動シミュレーションを行った。その結果、例えば(a)については、夜間外壁開口部を開け、昼間それらを閉じて床下から小屋裏への換気を図った場合の日最高室温は通風状態に比べて2〜4℃低下すること、などを明らかにした。
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