1.今年度は2つの行動実験、1つの行動シミュレーションを実施した。 (1) 病院における避難行動実験 神戸市看護短期大学の協力をえて、看護学生20名、一般学生26名を被験者とした行動実験を行った。実験の内容は担送手段別(ストレッチャー、毛布・シーツ、車椅子、担架、背負い)に、単位行動(器具移しかえ、垂直移動、水平移動、患者をおろす等)の所要時間を計測するものである。 (2) 精薄施設における避難行動実験 精薄児収容施設さわらび学園の協力をえて、夜間を想定した避難行動実験を行った。実験の内容は、39名の児童が当宿職員介助のもとに、非常ベルを相図として一斉に避難するもので、各児童及び職員の単位行動の所要時間を計測した。 (3) 援助型避難行動シミュレーション実験 昨年度及び今年度の調査及び実験で得られた知見をもとに、病院等援助が必要な施設における避難行動シミュレーションモデルを開発し、そのモデルを使って、3つの病院や精薄施設について、シミュレーションを実施した。 2.今年度の研究により、次のような知見が得られた。 (1) 行動開始にいたるまでの時間 病院や精薄施設においては、水平移動に入る前の器具への移しかえや、覚醒に相当な時間を要し、避難時間にしめるウエイトが高いことがわかった。 (2) 援助者の果す役割 援助者が多いほど、上述の準備時間が短縮し、かつ器具を用いての避難もスムースにゆくことがわかった。 (3) 昨年度からの成果をもとに、現在その行動時間の数量的基準代の整理をはかっているところである。
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