研究概要 |
本年度は、昨年に引き続き日本で刊行された近代建築書の所在確認を進展させた。天理大学図書館,神戸大学図書館,大阪大学図書館と現地に出かけ図書目録及び図書カードなどによりリストアップを行なった。今迄の図書館調査の中で、天理大学図書館の整理の良さに検索が大変しやすかったこと、しかしその他各図書機関によって分類の仕方がまちまちであり、短時間で洗い出すことはなかなか大変な作業であった。 今年度は、各図書機関でリストアップした、近代建築書を出版年代順に一覧表にまとめるべく作業を進めた。次に、建築書の分類をなした。この分類が各図書機関で一様でなく困難を極めたと同じく、分類するのにやはり大変であったが、分類は余り細かく分けないこととした。 1)ひながた書 2)建築家作品集 3)建築意匠 4)建築家録 5)構造,6)材料施工書 7)環境設備 8)建築論 9)建築史(技術) 10)論文,調査報告書11)その他(社史,一般書絵ハガキ写真集など) 一応10分類とし、11)のその他では、直接建築書と書題ではなくとも、当時の建築に関係すると見られる全てを入れた。例えば社史など比重の高い建築書である。それでも一冊の建築書が全てに含まれているものも有ったり、その他一様に出来にくいものも多々有った。又現在までは図書機関の閲覧は工学部関係の有するところに偏っていた気来があるが、天理図書館などのように工学部を有さずともかなりの建築書の蔵書を見ると、もう少し巾を広げて調査する必要も感じた。 貴重書の解題作業に入った。解題の原稿字数をどの位に簡略明記しまとめられるかなどが重点ポイントとなった。この解題作業はこの近代日本の建築書研究の主力ポイントとなるので、充分時間をかけ読破しなければならない昭和62年度は解題に主力をかけ分析する。
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