研究課題/領域番号 |
60550444
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源開発工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤中 雄三 京大, 工学部, 教授 (50025855)
|
研究分担者 |
塚田 和彦 京都大学, 工学部, 助手 (10179971)
花崎 紘一 京都大学, 工学部, 助教授 (20026123)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | ワイヤロープ / 吊構造物 / 吊ケーブル / 非破壊検査 / 電磁探傷 / 漏洩磁束法 |
研究概要 |
吊構造物用ケーブルなど、静索として使用されている直径100mm程度の大径ワイヤロープにも適用できる電磁探傷の方法について検討した。その結果をもとに、磁化方式の異なる2つの探傷装置を製作した。それらのうち1つは、従来の探傷装置同様、環状磁極を備えた電磁石によってロープの磁化を行うものであり、他の1つは、同軸ソレノイドによってロープの磁化を行うもので、本研究において新たに採用した磁化方式のものである。探傷可能なロープ径は、前者では60mmまで、後者では100mmまでである。これらの装置の開発において特に留意したことは、ロープ径の増大によって探傷に要する起磁力ひいては装置の重量が増加するのを、磁化方式を変えることによってできるだけ軽減できるようにしたことと、損傷を検知するための漏洩磁束検出器を、複数個のホール素子を用いた自己比較方式のものとすることによって、S/N比が良く、探傷速度に依存しない出力が得られ、かつ、ロープを取り巻く6つの方向からの独立的な探傷もできるようにしたことである。 損傷のあるロープを探傷した場合、その損傷記録として得られるインパルス波形について、種々の人工損傷を含んだPWS試料においてその探傷記録を検討した結果、インパルス波形の高さと幅から、それに対応する損傷の大きさがある程度定量的に評価できることが明らかとなった。 開発した探傷装置を用いて、実際に吊屋根に使用されているPWSケーブルを現地で探傷し、その現場のPWSに特有の集中腐食損傷を発見するとともに、本研究において開発した探傷方法の有効性を確認した。また、取り外したPWSの分解検査等を通じて、探傷記録から損傷の大きさを推定する方法が妥当なものであることを確認した。
|