大量の物質を効率的に輸送できる近代的な輸送手段として、空気力カプセル輸送が近年注目されるようになり、カプセルの抗力係数やカプセル走行、さらにはカプセル走行制御に関する研究が国内外で盛んに行なわれている。 本研究はカプセル走行に関する解析法を確立するための基礎資料を得ることと、その走行特性を調べることを目的としている。まず単独走行および連続走行カプセルつき、流れを非定常1次元圧縮性としてこれを特性曲線法によって計算し、実験結果と比較してその一致の程度を調べた。次にカプセル重量、タンク圧、カプセルと管壁とのすき間、さらにはカプセル発射間隔がカプセル速度や管内圧力分布に及ぼす影響を理論計算によって系統的に調べこれらカプセル輸送装置を構成する種々パラメータの差異がカプセル走行に及ぼす影響の程度を明らかにした。以上の研究成果を以下に述べる。 1.計算結果は実験結果とよく一致することが明らかとなった。ただしすき間がない場合には走行状熊が複雑となり実験結果との対応は悪い。 2.カプセル重量、カプセルと管壁とのすき間、タンク圧およびカプセルの発射間隔の差異がカプセル平均速度に及ぼす影響の程度を調べた結果、すき間なしで連続走行する場合を除き、カプセル重量などの各パラメータの変化割合に対するカプセル平均速度の変化割合は、他のパラメータの影響を受けず、単調な曲線で関係ずけられることが明らかとなった。 今後はカプセル停止ゾーンでのカプセル挙動や数値解析法の違いがカプセル走行に及ぼす影響などについて研究を進める予定である。
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