研究概要 |
原油回収のためのポリマーフラッドはその理論的裏付けからも今後水攻法に代るべき方法である。しかし実用化の面で様々な障害がある。例えば重質原油の場合のモビリティ・コントロールでは温度條件がその成果を左右することになる。また中東地区では油層水の塩分濃度が極めて高く、二価イオンの影響も大きい。このため筆者は従来広く使用されて来たカルボン酸系ポリアクリルアミドの構造を変化させるとか、耐熱性合剤を使用するとかして、熱に強いポリアクリルアミド水溶液を用いて、その欠点を克服することを試みている。また耐塩分性ポリマーについても検討を加えた。この為使用したポリマーは耐塩分性のものとしてスルホン酸系,スルホン酸・カルボン酸系,耐熱性としてカルボン酸系に合剤を配したものを使用した。この結果は次のようである。 (1)耐塩分性ではスルホン基のみのものより、スルホン,カルボン基を持つものゝほうが優れている。 (2)耐熱性についてはカルボン酸系に合剤を配したものは効果があった。 (3)原油回収に関する実験も昨年度こ追加として行い、最小全相対モビリティが小さいとき、この効果大きいが、その値にも限度があることが判った。 この他ポリマーフラッド一次元流動シミュレーションについても基礎研究を行い、従来の方法について再検討を行った。 今年度はこれらのまとめを行う。
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