研究概要 |
本研究は、一般に用いられている溶融溶接法では接合が極めて困難なSiC繊維強化型アルミニウム基合金複合材料の拡散溶接を行なった。溶接はAl-Cu-Mg系合金(2017,2024合金)とAl-5%Ca合金を用い、溶接温度540〜630℃、1×【10^(-4)】Torrで行なった。幅10mm、厚さ40〜50μmの急冷Al-5%Ca合金箔は、アモルファス製造装置によって作製した。実験より以下の結果が得られた。 1.Al-Alの溶接継手は、電解研摩によってより高い接合強さが得られた。 2.複合材料を電解研摩することによって、SiC繊維が溶接面に突出する。 このようにして突出した繊維は、継手の引張強さや曲げ強さの向上に、重要な役割を果たす。 3.2017および2024合金箔を用いて、AlとFRMの拡散溶接を、固体と液体が共存する固相線温度以上の温度域で行なった。引張強さは、液相の体積率が1〜5%の場合最大となった。 4.Al-5%Ca合金箔を用い、溶接温度630℃、30minの条件で溶接した場合、最大の引張強さを示した。これはCaによってSiCとAlマトリックス間の界面反応が促進されたことに起因する。
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