研究概要 |
ヨウ素酸塩と種々有機化合物との酸化還元反応を回転白金電極を用いたボルタンメトリーや電流滴定法などから解析し、メチオニン,ペニシラミンなど含硫黄化合物10種類,ピロガロール,ドーパミンなど水酸塩を持つ化合物14種類,フェニルヒドラジドなど含窒素化合物7種類についてヨウ素酸イオンとの反応や反応モル比を明らかにした。又、含硫黄化合物などは反応基礎液によって最終酸化状態や反応過程が異なり、基礎液の種類によって選択的な酸化が可能で、類似した物質の分別定量が可能であることがわかった。 (1)上記化合物のヨウ素酸イオンによる酸化過程を種々酸基礎液及びハロゲン化物イオンを含む基礎液を用いて明らかにした。 (2)回転白金電極を用いた電流滴定法により、上記化合物を個々に定量する方法を確立した。 (3)塩酸基礎液と硫酸一臭化カリウム基礎液でのメチオニンとメチオニンスルホキシドのヨウ素酸イオンによる酸化過程の違いを利用してこれれらが示差定量できることを明らかにした。同様な方法がイソニアジドのp-アミノサリチル酸の分別定量にも利用できることが分かった。 (4)ヨウ素酸イオンの酸化還元反応を利用したフローインジェクション分析法を開発し、多価フェノールの定量方法を確立し、種々有機化合物の連続分析に応用できることを示した。 以上の種々成果はヨウ素酸塩の酸化剤としての有用性を高め、無機工業化学や分析化学の分野に広く貢献するものと考えられる。
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