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1986 年度 研究成果報告書概要

溶融炭酸塩中における金属酸化物の格子欠陥と安定性

研究課題

研究課題/領域番号 60550569
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 工業物理化学・複合材料
研究機関横浜国立大学

研究代表者

太田 健一郎  横国大, 工学部, 助教授 (30011216)

研究期間 (年度) 1985 – 1986
キーワード溶融炭酸塩 / 燃料電池 / 電極 / フェライト / 酸化ニッケル / 安定性 / 溶解度
研究概要

溶融炭酸塩燃料電池は第二世代燃料電池として注目され、我国においては通産省におけるムーンライト計画等で精力的な開発が進められている。ここでは高温,溶融塩という厳しい条件下での各種材料の劣化が問題であるが、特にカソードとして用いられている酸化ニッケルの溶解,アノード近傍での析出が電池の長期運転の大きな障害となっている。
本研究ではまず現在用いられている酸化ニッケルの溶融炭酸塩中への溶解度を測定した。リチウム一カリウム二元系炭酸塩中への酸化ニッケルの溶解度は650℃、二酸化炭素1気圧下で40×【10^(-6)】(モル分率)であり、高温ほど溶解度は小さくなった。また、二酸化炭素分圧が大きくなると、溶解度は比例して増大した。これらは酸化ニッケルが溶融炭酸塩中へ酸性溶解しているとして説明できた。
酸化ニッケルの安定性を向上させるために、他の元素を添加することを試みた。添加元素としては酸化鉄を選び、これと酸化ニッケルの固溶体であるニッケルフェライト(Ncx【Fe^(3-x)】【O^4】)に注目した。このニッケルフェライト中の鉄、ならびにニッケルの溶解度は純酸化ニッケルに比べてかなり小さく、リチウム一カリウム二元系炭酸塩中、650℃、二酸化炭素分圧一気圧下で、いずれも2〜2.5×【10^(-6)】(モル分率)と15分の1ないしは20分の1の値を得た。二酸化炭素分圧が大きくなると溶解度は増大するが、圧力に対する依存性は酸化ニッケルより小さく、溶融炭酸塩燃料電池の作動条件下ではカソード材としてのかなりの安定性の向上が期待できる。
以上より、酸化ニッケルを単独で用いるよりは、これに他の元素を添加することにより、炭酸塩中での溶解度は減少し、溶融炭酸塩燃料電池のカソード材料としての安定性が向上する例のあることが判った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 太田健一郎: 電気化学. 55. (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 太田健一郎: 電気化学.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Ken-ichiro Ota: "Solubility of Nickel Oxide in Molten Carbonate" Denki Kagaku. 55. (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Ken-ichiro Ota: "Solubility of Nickel Ferrite in Moten Carbonate" Denki Kagaku.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1988-11-09  

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