研究課題/領域番号 |
60550631
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松重 和美 九大, 工学部, 助教授 (80091362)
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研究分担者 |
深尾 浩次 九州大学, 工学部(昭61年度のみ), 助手 (50189908)
七条 司朗 九州大学, 工学部, 助手 (60150489)
竹村 哲男 九州大学, 工学部(現在)有明高専(昭60年度のみ), 名誉教授 校長 (10037658)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 光電導性 / 圧力効果 / Time of Flight法 / 光吸収スペクトル / キャリア移動度 / PC-Py文散系 / PVK-TNF / 電荷移動錯体 |
研究概要 |
本研究は数種類の光電導性物質を対象にTime of Flightおよび光吸収スペクトル測定を350MPaまでの圧力下で行うことにより、高分子物質における光電導性に寄与する要因およびその機構の詳細を解明するとともに、高性能の情報変換およびエネルギー変換素子を開発する上での指針を探ることを目的としたものである。 主たる研究成果は下記の通りである。 (1)500MPaまでの高圧下における光物性測定用のシステムを製作した。Time of Flight法によるCarrier移動度の測定、更には光吸収スペクトラムの高圧・高温下測定が可能となった。(なお、測定システムを構築するにあたり、高輝度Xeパルス光源、高安定Xe広帯域光源およびデジタルマルチメータ等を設備備品として購入し、実験に供した。) (2)PC-Py分散系においてホール移動度は圧力の増加とともに減少する傾向が観測され、マトリッス高分子の分子鎖の運動性の光電導性への関与を示唆された。 (3)PVK-TNF電荷移動錯体においては圧力の増加に伴い移動度は当初の減少傾向から増加傾向に変化した。移動度の電界・温度依存性はGillの経験則に従い、また特性温度(【T_0】)の圧力変化挙動は試料のガラス転移温度との強い相関性を示した。 (4)集積電荷量は両方の系とも圧力の増大に伴いほぼ倍増した。高圧下での光吸収スペクトル測定により吸収端の低波長域への移行が観測され、これが集積電荷量の増大の一因と考えられる。
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