研究課題/領域番号 |
60550658
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
油川 博 群大, 工学部, 教授 (00006967)
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研究分担者 |
星野 照彦 群馬大学, 工学部, 助手 (90008459)
小林 一正 群馬大学, 工学部, 講師 (50008512)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 等電点電気泳動法 / 電気泳動 / 両性担体 / 蛋白質 / 分離 / 精製 |
研究概要 |
本研究は、たんぱくの種類によって等電点が異なることを利用して各たんぱくを相互に分離する等電点電気泳動法を改良し、たんぱくを大量にかつ連続的に分離するための方法を確立することにあった。高い分離能を有するが、主として分析手段として用いられている等電点電気泳動法をたんぱくの大量処理に応用するためには、大量処理に適した装置の開発とともに、高価な両性担体を回収して循環再利用する方法をとった。 たんぱくが通過できる半透膜で3室に仕切られた中央の室に、2種類のたんぱく、0.2wt%B.S.A.(牛血清アルブミン)と0.1wt%Hb(ヘモグロビン)の混合液を流しながら直流電場を加え、各たんぱくを連続的に分離できるたんぱく質等電点分離装置を設計試作した。また、これを用いて分離効率に及ぼす電場強度、流量などの影響を理論的、実験的に検討したところ、電場強度12V/cm,滞留時間23分間で両たんぱくは分離効率95%以上で分離が可能であることが明らかになった。また各分離槽からの流出液中に含まれる単離された高分子のたんぱくと低分子の両性担体を、限外3過器を用い両性担体を分離し、その分離性能と再利用の可能性を検討した。その結果、両性担体の90%以上は回収でき、再び分離に使用できることが明らかになった。 最後に30時間の連続分離実験を行ったが、この間に両性担体は3回循環再利用した。その結果、B.S.Aについては約70%とやや低いが、Hbについては約90%の分離効率が得られた。したがって、連続分離操作に耐え、十分に実用に供せられるものと確信する。今後、電極液の検討や両性担体のPH範囲及び濃度の調整などによって分離効率の改善をはかる計画である。
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