研究課題/領域番号 |
60560001
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
喜多村 啓介 岩手大, 農学部, 助教授 (50111240)
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研究分担者 |
原田 久也 農業生物資, 源研究所, 室長
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | リポキシゲナーゼ / 遺伝育種的除去 / 抑臭大豆 |
研究概要 |
〈目的〉 大豆種子リポキシゲナーゼは、大豆の不快豆臭発生に関与する酵素であり、大豆の加工・利用上の最大の問題を生み出している。本研究は、種子リポキシゲナーゼを遺伝育種的に除去あるいは顕減した大豆を育成する上での基礎的知見を得ることを目的としている。 〈結果〉 1.L-1・L-2同時欠失大豆作出の試み。新しく開発したβ-カロチン脱色法を用い、L-1欠×L-2欠の交雑後代種子約3000粒の分析に当ったが、L-1・L-2同時欠失種子は得られなかった。また、X線照射処理による組換型作出の試みによっても本同時欠失種子を得ることができなかった。 2.種子リポキシゲナーゼと葉リポキシゲナーゼの異同。スズユタカに3回戻し交配して得たB【C_3】代の種子リポキシゲナーゼ欠失系統の初生葉、第3、第5本葉の酵素活性を測定し、スズユタカの酵素活性と比較した結果、種子酵素欠失型の大豆はスズユタカ(野性型)と同程度の葉中酵素活性を有することが示された。また、登熟中の若莱や根における酵素活性においても、種子酵素欠失系統とスズユタカの間に有意な差異は認められなかった。 3.リポキシゲナーゼ欠失性と農業形質との関係。スズユタカ品種を反復親として育成したB【C_3】【F_3】代のL-1欠、L-2欠、L-3欠、L-1・L-3欠およびL-2・L-3欠各系統を用いた比較栽培試験を、岩手大農学部ほ場(盛岡)および生物資源研究所ほ場(筑波)で行った。分散分析の結果、調査した形質のいくつかで反復試験区による差異が認められたが、系統間およびスズユタカとの間に、個体当りの子実収量、平均莱数、百粒重には有意差は認められなかった。また、発芽期、初期生育期、開花期および登熟期を通じても、これら系統間に、特に問題となる差異は認められなかった。 これらの結果は、リポキシゲナーゼ欠失性による生育および収量等への影響がないことを示している。
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