研究課題/領域番号 |
60560031
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水野 進 神戸大学, 農学部, 教授 (20031164)
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研究分担者 |
寺井 弘文 神戸大学, 農学部, 助手 (30110802)
土田 広信 神戸大学, 農学部, 助教授 (60031184)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | エチレン / 1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC) / インドール酢酸(IAA) / アブシジン酸(ABA) / 果実の生育 / 成熟 / 追熱 / 老化 |
研究概要 |
呼吸型または追熱性を異にした果実の生育、成熟、老化、追熱等の生理現象とそれら現象の調節に関与している各種内生ホルモンとの関係について知見をえるため、二三の検討を行なった。 (1)、呼吸の漸減型果実ナシ'二十世紀'及びクライマクテリックライズ期の遅い果実ナシ'幸水'では、幼果期から肥大末期にIAA濃度は急減したが、ABA濃度は全期間通じて大きな変動を示さなかった。一方、クライマクテリックライス期の早いモモ'大久保'では、成育成熟期通じてIAA濃度に大きな変動は見られず、ABA濃度が肥大末期移行急速な上昇を示した。また、一時上昇型に属し、その上昇期の遅い果実キウイフルツでも、同様にABA濃度の上昇が認められた。このように、生育成熟期における各種内生ホルモンの消長のパターンは果実の種類により非常に異なっていることが判った。 (2).(1)において用いた幼果期、中間期及び成熟期に収穫した各種果実の貯蔵中における呼吸、エチレン発生及びその他の内生ホルモン濃度の消長と果実の老化または追熟の関係を検討した。貯蔵期通じてエチレン発生が認められないナシ'二十世紀'及び'幸水'の各期収穫果実はいずれもIAA及びGA濃度の減少とABA濃度の上昇が認められた。貯蔵中に著しいエチレン発生が認められるナシ'バートレット'及びモモ'大久保'では、エチレン生成とABA濃度の上昇と何らかの関係があるような結果が得られた。追熟性の乏しい幼果期果実においても、貯蔵中にABA濃度が上昇することから、ABAはむしろ老化と密接な関係があるものと考えられる。 (3).キウイフルーツに限りエチレン発生の上昇に伴いABA濃度が減少した。このことは、エチレン生成機構の観点から興味があるので、ACC濃度についても合せて検討した。その結果、キウイフルーツ'ブルノ'では、エチレン発生及びACC濃度ともに上昇するが、モモではエチレン、ABAの上昇を伴ないACC濃度ともに上昇するが、モモではエチレン、ABAの上昇に伴ないACCは減少した。
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