研究概要 |
1 Pyrenolide類の合成:植物病原菌Pyre noph ora te resの生産するpyrenoli de類は各種の生理活性を示すde cano lide類である。この合成のため我々は当初io dola cton e al co holの分子内アルコリシスを用いるep oxyd eoan olid eの合生法を検討したが、分子間反応の先行した20員環エポキシ環状ダイマーしか得られなかった。そこで2-me thyl cycl on onan one のBayer Vil li ger 酸化によりde ca n-9-oli de(phor ac anth olid e)とする方法を開発し、次いで不飽和化、アリル位の酸化、さらに二重結合の導入によってpyreno lide Bの合成に成功した。合成品はmp86℃でIR,NMR,MSなどすべての点で標品と一致した。このようにしてひずみの多い十員環ラクトンの新合成法を確立した。 2 As perlin及び関連化合物の合成:微生物の代謝産物にはas perl inをはじめ5,6-dihy dro-5-hy drox y-(又はac yl oxy)2H-p yr an-2-one構造を有する生理活性物質が多数存在している。これらは構造上5員環ラクトンに変換され易く、またキラルな官能基が多いため、その光学活性体の一般的合成法が確立されていない。我々は構造の簡単な天然物osmu nd alac toneを対象にしてキラルな合成法を確立し、これを応用して種々の天然物の合成を行った。1)(一)-Os mund alac tone の合成:Cy clohexylidene-D-glyceraldehydeを原料として6段階で(S)-2-benzoyloxy propanalとし、pr opargyl alco holの誘導体との縮合を経て天然の(一)-os mundalactone,mp82.5℃の合成に成功した。2)(+)-Phomalactoneの合成:上と同様な手法で(S)-2-benzoyloxy-3-pentenalからpropargyl alcoholで鎖長を延ばし、保護基の変換、三重結合のシス二重結合への環元、一級水酸基のカルボキシル基への酸化を経て天然の(5S,6S)-(+)-phomalactone(mp 52℃)及びエリスロ異性体の合成に成功した。3)(+)Asperlinの合成:Phomalactoneをアセチル化後酸化して(+)asperlin及び(1'R,2'S)エポキシドを合成した。
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