研究概要 |
この研究は、農産資源の多種類な固形ペレット燃料に適応可能な燃焼機を開発するための一般性ある基礎設計資料を得ることを目的とした。 実験に供した試作燃焼機は、燃焼筒内の燃焼に強制渦流動燃焼とガス化燃焼方法を併用したものである。 実験機は燃焼機と供給装置から成り、燃焼機は内径200mm、外筒の外径350mm、高さ315mmの円筒形の燃料室、燃料筒139mmより成る。 一方ペレットは、、ボッパーよりスクリュウコンベヤを介して燃料室の底部に押し出され、燃焼に従って燃焼筒より燃焼炉に排出される。 実験結果の主なものは次のとおりである。 (1)着火,燃焼速度における材料の種類による差は小さい。着火温度は雰囲気温度が700℃では、約20秒以内である。 (2)燃焼において高出力を得るには、燃焼室でのペレットの堆積が必要である。 (3)燃焼は燃焼室内の渦流風速より浮遊風速に影響される。浮遊風速は約6m/sが適当と考えられる。 (4)燃焼中における燃料の休止時間は10秒前後が適当である。 (5)最適燃焼条件は、風量と供給量との関係により決まる。供給量が16kg/hにおける最適風量は4.0×【10^(-2)】【m^3】/sであり、その時の燃焼温度は1037℃である。 (6)燃焼室内と燃焼筒内温度差は200〜500℃の範囲にあり、燃焼室内ではガス化一次燃焼が、燃焼筒内では2次燃焼となることが明らかとなった。 (7)実用試験における、ハウス内の温度分布はほぼ均一と見なされる。したがって、ペレット燃焼機は、性能の上で実用化に十分適応することが確認された。
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