研究課題/領域番号 |
60570073
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
杉山 博之 岡崎共研機, その他, 助教授 (20124224)
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研究分担者 |
伊藤 功 島根医科大学, 日本学術振興会特別研 (20183741)
広野 力 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 協力研究員 (10199135)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | メッセンジャーRNA / ニューロテンシン / アセチルコリン受容体 / イノシトールリン脂質 / Gタンパク質 / イノシトール三リン酸 / 神経ペプチド / アフリカツメガエル |
研究概要 |
ラット脳mRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入すると、細胞はニューロテンシンおよびサブスタンスPに感受性をもち、電気的応答を示すようになること、すなわち両ペプチドの受容体が脳より卵母細胞に移植されることが分った。そこでこれらのペプチド受容体の反応機構を解析するために、ニューロテンシンに注目し、その応答の特徴を詳細に解析した。それらの解析の結果、ニューロテンシン受容体の引き起こす細胞応答の反応機構は次のようなものと考えられることが分った。すなわち、ニューロテンシン受容体はニューロテンシンによって活性化されると、Gタンパク質と総称される一群のファミリータンパク質のうちのいずれかを活性化する。活性化されたGタンパク質はフォスフォリパーゼCを活性化することによってイノシトールリン脂質を分解促進する。特にフォスファチゲルイノシトール二リン酸の分解によって生じたイノシトール三リン酸が重要で、これが細胞内セカンドメッセンジャーとなって細胞内カルシウム濃度の増大をもたらす。その結果、カルシウム依存性に細胞膜の【Cl^-】チャンネルが活性化され、細胞膜の【Cl^-】電流が一過性に増大し、これが細胞の電気生理学的応答として観察されることになる。以上が、本研究で明らかになったニューロテンシン受容体の反応機構であるが、結果的に考えるとこの反応機構は、卵母細胞において同様に観察されるムスカリン性アセチルコリン受容体の反応機構と極めて類似しており、おそらく両受容体はその反応機構のかなりの部分を共有していると考えられることが明らかとなった。 以上をまとめると、本研究を通して、ニューロテンシン受容体の根本的機能(のひとつ)は、Gタンパク質を活性化することである、との結論を得た。
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