• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 研究成果報告書概要

軟部組織の組織球性病変の本態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60570149
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 人体病理学
研究機関福岡大学

研究代表者

岩崎 宏  福岡大学, 医学部, 助教授 (90101170)

研究期間 (年度) 1985 – 1987
キーワード軟部組織 / 組織球 / 線維芽細胞 / 筋線維芽細胞 / マクロファージ / 単球 / 細網内皮系 / 悪性線維性組織球腫
研究概要

A.組織球性病変について
1.ヒト悪性線維性組織球腫(MFH)の新鮮材料から培養細胞系を樹立し, 各種のマーカーを調べたところ, 豊富なライソソーム酵素, Fcリセプターおよび免疫貧食能を有していることが分かった.
2.前記の組織球性細胞系を免疫原としてハイブリドーマ法によって, モノクローナル抗体FU3, FU4, FU5およびFU6を作製した.
3.免疫組織化学的に検索すると, モノクローナル抗体FU3は血管周囲間葉系細胞および線維芽細胞と反応したが, 単球, 顆粒球およびマクロファージとは反応しなかった. FU5およびFU6は細胞間質の細網線維および膠原線維と反応した.
4.電顕酵素抗体法によって抗原の局在を調べると, FU3とFU4は細胞膜表面に反応し, FU5とFU6は間質の線維を認識した.
5.免疫沈降法およびSDS-PAGE法によって, 抗原を分析すると, FU3は高分子領域の蛋白質と反応し, FU4は高分子領域以外に53kdの蛋白をも認識することが分かった.
6.結論:これらの結果から, MFH細胞は組織球マーカーを発現するにもかかわらず, 血管周囲細胞, および線維芽細胞と共通の抗原性を有することが明らかになった. 従って軟部の組織球性病変を構成する細胞の少なくとも一部はこれらの細胞, 特に多潜能性を有する血管周囲細胞に由来すると考えられる.
B.軟部組織の筋線維芽細胞について 筋線維芽細胞の中間フィラメントはビメンチンで構成され, デスミンは陰性であった. すなわち本細胞は線維芽細胞と同様のパターンを示し, 平滑筋とは異なることが明らかになった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Iwasaki,H.: American Journal of Pathology. 128. 528-537 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 諌山照刀: 福岡大学医学紀要. 14. 191-203 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Iwasaki,H.: Pathol.Res.Pract.182. 248-254 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Iwasaki H,Isayama T,Johzaki H, Kikuchi M: "Malignant fibrous histiocytoma evidence of perivascular mesenchymal cell origin. iMmunocytochemical studies with monoclonal anti-MFH antibodies." Am J Pathol. 128. 528-537 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Iwasaki H, Isayama T, Ichiki T, Kikuchi M: "Intermediate filaments of myofibroblasts:immunochemical and immunocytochemical analyses." Pathol Res Pract. 182. 248-254 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1989-03-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi