研究課題/領域番号 |
60570197
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
岡部 昭延 香川医大, 医学部, 助教授 (20093677)
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研究分担者 |
板野 俊文 香川医科大学, 医学部, 助手 (60145042)
林 英生 香川医科大学, 医学部, 教授 (40033203)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | Lactobacillus casei / 菌体成分 / プラスミド複製 / 阻害因子 / プラスミドコピー数 |
研究概要 |
Lactobacillus casei菌体を塩類溶液(30mM Tris,pH8.6)で処理して得られる抽出液中にはプラスミドRP4の複製を阻害する因子が含まれている。この抽出液をpH4.8の条件でゲル濾過すると分子量500以下の低分子画分に阻害活性が見られる。この画分(Lu)は非常に不安定であり凍結保存中にも急速に失活する。Luは主要成分として核酸塩基を有する。その主要な塩基はウラシルであった。ウラシルそのものには阻害活性が無いことから、Luの有していた阻害活性はこの画分中の他の微量成分によると考えられる。 一方上記の抽出液をpH7.0でゲル濾過すると分子量約1000の画分に阻害活性が見られた。Luが不安定なのに対し、この画分(Ls)の阻害活性は安定であった。LSには核酸塩基が含まれていないことから、上記LUとの間に関連性は無いものと考えられる。さらにこのLSをイオン交換クロマトグラフィーで精製を進め、その成分分析を行なった。その結果ペプチド、あるいはアミノ酸を主要成分として有していないことが明らかとなった。 LSによるプラスミドの複製阻害の見られるプラスミドとしてRP4プラスミド以外にEntプラスミドがあった。従って大型でコピー数の少ないプラスミドがこの因子により複製阻害を受けるものに考えられる。一方複製様式の異なる小型でコピー数の多いpBR322プラスミドは阻害を受けなかった。 複製阻害活性を調べる方法としてβ-ラクタマーゼ活性を指標にしたが、一般に受け入れられている概念であるところのコピー数と酵素活性との相関性というものは必ずしも認められない。このことをリンコマイシン添加の実験で明らかにした。さらに【^(32)P】-リン酸の方が【^3H】-チミジンよりもコピー数測定に適していることを明らかにした。
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