研究課題/領域番号 |
60570243
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
友国 勝麿 佐賀医大, 医学部, 教授 (40032891)
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研究分担者 |
平井 幸雄 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90156638)
長谷川 亨 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90156315)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 鉛暴露作業者 / 特殊検診 / 改良法 / 尿中δ-アミノレブリン酸 / 尿中コプロポルフィリン / 血中鉛 |
研究概要 |
鉛作業者に対して実施される特殊健康診断検査項目のうち、特異性の高い尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)、尿中コプロポルフィリン(COPRO)及び血中鉛の検査について、分析精度及び簡便性の向上をめざして種々の検討を加えた結果、以下のことが明らかとなった。 1.尿中ALAの定量:全国の最も多くの検診機関で利用されている友国・緒方法(1972)を用いて尿中ALAを分析する場合、特に比重の高い尿ではマトリクスの影響が現われ、見かけの濃度が若干低く定量される欠点があるが、この欠点は、予め尿を蒸留水で3倍希釈したものをサンプルとして用いることにより十分に除去できることがわかった。また、ALA・ピロールの形成に用いる縮合試薬としては、アセト酢酸エチルよりもアセト酢酸メチルの方が若干優れていた。 2.尿中COPROの定量:現在、尿中COPROの分析には吸光々度法による分液ロートサイズの分析法が広く用いられているが、本法は繁雑なため分析者にとって悩みの種となっている。この欠点を取り除くために、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いる尿中COPROの蛍光分析法を考案したところ、このHPLC法は極めて高感度であり、しかも簡便性においても優れていることがわかった。 3.血中鉛の定量:フレームレス原子吸光法により血中鉛を直接定量する場合のバラツキを如何にしたら小さくすることができるかを検討した結果、灰化温度を上昇させるための方策として、グラファイトチューブを予めモリブデン酸アンモニウムとリン酸の混液でコーティングし、更に血液希釈液にもこれらを添加することにより、バラツキを最小限に抑えることができた。また、非暴露者のプール血液を用いて検量線を作製することにより、血中鉛の定量性を向上させることができた。
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