研究課題/領域番号 |
60570279
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
角田 健司 昭和大, 医学部, 助教授 (40095906)
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研究分担者 |
神庭 悦子 昭和大学, 医学部, 助手 (10177777)
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キーワード | 突然死 / 心臓死 / 呼吸死 / 心停止先行型急死 / 呼吸停止先行型急死 / 脳虚血 / コルチコステロン / カテコールアミン |
研究概要 |
心臓死および呼吸死への神経内分泌系の対応を非脳虚血および脳虚血ラットを用いて検討した。非脳虚血において塩化カリウムによる心停止先行型急死および塩化スキサメトニウムによる呼吸停止先行型急死における副腎内コルチコステロン(CS)値につき、生体時と比較し、心停止先行型急死では差を認めなかったが、呼吸停止先行型急死では著しい低値を示した。血中CSでは、心停止先行型は死亡前と死亡後では差異がなく、呼吸停止先行型では死亡後に増加する傾向を認めた。このような2つの急死型における副腎と血中レベルでのCS値の差異は、循環機能の有無によるものと考えられた。すなわち心停止先行型は1分内外の心停止により急速な循環不全に陥り、そのため副腎から血中へのCS分泌が低下し生前に近い状態のまま留まり、一方呼吸停止先行型では心停止までに8分内外を要するため、その間の循環系は死戦期の生理的異常状態にありながらも保持されており、副腎から血中へのCSの分泌代謝が継続し副腎内のCS値が低下したものと考える。次に脳虚血では、心停止先行型および呼吸停止先行型急死での副腎内CS値の差異は上記の非脳虚血のそれらと同様な結果であった。よって脳虚血での副腎内CSは非脳虚血よりも低レベル状態を呈したが、脳虚血の死亡時に及ぼす影響はみられず、むしろ直接死因の心停止の遅速の影響の方が副腎内では直接的に強くあらわれているように思われた。 脳内カテコールアミンとしてノルアドレナリンとドーパミンにつき、非脳虚血ラットでは両急死型間で差異を認めなかった。しかし脳虚血ラットでは心停止先行型の方が呼吸停止先行型よりも高値を示した。よって予め脳循環機能の低下状態にあると、心停止先行と呼吸停止先行による致死で差のある傾向がカテコールアミンでみられ、この差は心停止や呼吸停止によるものでなく、脳虚血と関係するものと考える。
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