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1986 年度 研究成果報告書概要

初代培養肝細胞系を用いた肝細胞膜の胆汁酸取り込み機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60570322
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 消化器内科学
研究機関鳥取大学

研究代表者

猪川 嗣朗  鳥取大, 医学部, 教授 (70032183)

研究分担者 三宅 真里子  鳥取大学, 医学部附属ステロイド医学研究施設・化学部門, 助手 (20135883)
武良 哲雄  鳥取大学, 医学部附属ステロイド医学研究施設・化学部門, 講師 (80093631)
研究期間 (年度) 1985 – 1986
キーワードラット初代培養肝細胞 / 胆汁酸の取り込み機構 / 実験的胆汁うっ滞モデル / エストラジオール・グルクロニド / 胆汁酸動態 / 硫酸抱合型胆汁酸 / 【Na^+】,【K^±】ATPase
研究概要

初代培養肝細胞系における胆汁酸取り込みに関しては、この培養肝細胞を塩酸リドカイン,リファマイシン等で前処理後に重水素標識胆汁酸を投与して、代謝される重水素標識胆汁酸量からその取り込みに与える影響をみると、これらの前処理により約35〜50%の取り込み阻害が認められた。また、同時にアルブミン投与を行なうと添加濃度に依存してその阻害効果が抑制されることから、肝細胞膜上で共有部分を持つアルブミンまたは胆汁酸リセプターに対するこれら薬剤と胆汁酸に競合的な阻害が推察される。一方、培養肝細胞を(1)インスリン単独(2)dexamethasone(dex)共存下で培養すると、後者の方がタウリン抱合型胆汁酸の合成および排出を促進した。また、estradiol-17β-glucuronide(【E_2】-17G)を添加、培養すると、in vivoでのethynylsetradiol誘起の肝内胆汁うっ滞様の胆汁酸動態が認められた。即ち、細胞中のCAMP,【5!'】-Nase活性および培養液中のタウリン抱合型胆汁酸の低下,硫酸抱合型胆汁酸,このうちリトコール酸(LC)およびケノデオキシコール酸(CDC)の著増が認められた。しかし、dex投与によりこれらの値は対照値近くに回復した。従って、【E_2】-17Gによる肝内胆汁うっ滞機構は、細胞内の小胞体およびペルオキシゾーム等に【E_2】-17Gが可逆的に作用する結果、胆汁酸代謝のaltornative pathwayの亢進と共に、choeicacia:CoA ligase,12α-hydroxylase等の活性変化により、前述の肝毒性の強いLC,CDCの著増、タウリン抱合型胆汁酸の減少が生じる。この時、二次的な作用としてCAMP依存性の【Na^+】,【K^±】ATPase活性が低下する結果、【Na^+】依存性の胆汁酸排出の抑制により、肝内胆汁うっ滞が誘起されると推察する。また、dexは【E_2】-17Gのリセプターからの解離を促進すると共に前述の酵素活性を亢進する事が考えられる。
今後、肝細胞膜の胆汁酸取り込みに関与するリセプターの精製、うっ滞機構の膜レベルでの検討が必要である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 武良哲雄,三宅真里子,猪川嗣朗: 脂質生化学研究. 28. 209-212 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 川崎寛中,武良哲雄,猪川嗣朗: 肝臓. 27. 1503-1505 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 武良哲雄,猪川嗣朗: 第4回グリチルリチン研究会.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] TETSUO MURA;MARIKO MIYAKE;SHIRO IKAWA;HIRONA KAWASAKI: J.Lipid.Res.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] T. Mura: "Bile acid metabolism in primary cultured rat hepatocyte" Proc. J. C. B. L.28. 209-212 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] H. Kawasaki: "Mechanism of drugs toward intrahepatic cholestasis" Acta Hetatologica Japonica. 27. 1503-1505 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] T. Mura: "Effect of glycyrrhizin on primary cultured rat hepatocytes injured with carbon tetrachloride" Symposium on glycyrrhizin.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] T. Mura: "Primary cultures of rat hepatocytes as a model of intrahepatic cholestasis induced with estradiol-17 <beta> -D-glucuronides" J. Lipid Res.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1988-11-10  

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