研究課題/領域番号 |
60570341
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
真島 康雄 久留米大, 医学部, 助手 (50175593)
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研究分担者 |
岩井 一郎 久留米大学, 医学部, 講師
藤本 隆史 久留米大学, 医学部, 講師
田中 正俊 久留米大学, 医学部, 講師 (60179786)
阿部 正秀 久留米大学, 医学部, 講師 (40098794)
谷川 久一 久留米大学, 医学部, 教授 (10080649)
FUJIMOTO Takafumi Kurume University school of Medicine
IWAI Ichirou Kurume University school of Medicine
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 肝細胞癌 / エタノール局注療法 / 高周波電気凝固 / DAB肝癌 / METH-A実験腫瘍 / エタノール門脈注入 |
研究概要 |
本研究ではエコー下の経皮的細径針穿刺による「高周波電気凝固」「マイクロウェーブ凝固」「エタノール局注」療法の基礎研究および臨床応用の安全性と有効性を検討した。 (1)高周波電気凝固はバイポーラーによる電気凝固で4mmだけ針を露出したテフロンコーティング針を用い、卵白5×7mmほどを部分的に凝固させることができた。従って、体表からテフロンコーティングの細径針を用いて肝の深部の限局性熱凝固を起こさせることは可能で、熱凝固の範囲も直径10mm位は得られるので人体に応用可能かと考えられたが、肝臓の深部を電気凝固する際にラット、家兎、雑種成犬共に30%の確率で通電中に体動あるいは一過性の"けいれん"を認め、またテフロン加工細径針を電気凝固後に抜去する際、熱凝固した組織が熱発生部分の針に凝着し5〜30mlの出血を認めた。これらのために、人体の肝臓を経皮的に電気凝固することは断念した。組織学的には出血凝固壊死を主体にして、中心静脈の血栓形成が目立ち、凝固部は軽度の出血とともに肝細胞は脱落し、境界部は肝細胞索が収束した像を呈した。 (2)マイクロウェーブ凝固は穿刺針のアンテナ部分の材質および針の直径がそれほど小さく製作出来ないなどの難点が解決されず、またコスト的にも実用困難なので計画を断念した。 (3)エタノール局注療法は基礎研究としてDAB肝癌ラット,肝硬変ラット,METH-Aマウス移植腫瘍,家兎,雑種成犬にてエタノール局注の安全性と効果を確認した。この方法にて現在57例の肝細胞癌に対して治療を行い。特に直径2cm以下28例の肝細胞癌では2年生存率は88.6%と極めて予後が良く、また切除例での検討では直径16mmの肝細胞癌はエタノール2mlの局注2回で100%の壊死をみた。致命的な合併症は今までに経験ない。
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