研究課題/領域番号 |
60570347
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 孝吉 京大, 結核胸部疾患研究所, 助手 (10166796)
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研究分担者 |
笹田 昌孝 京都大学, 医学部, 助手 (30144364)
久世 文幸 京都大学, 結核・胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 肺胞マクロファージ / 貧食 / 殺カンジダ活性 / インターフェロンガンマ / 活性酸素 / 呼吸爆発 / C キナーゼ / 単球由来マクロファージ |
研究概要 |
ヒト肺胞マクロファージ(AM)の貧食、殺菌能、殺菌機序及び組換え型IFN-γの影響を検討した。AMは気管支肺胞洗浄により採取しヒト不活化AB型血清10%を含むMEM培地に浮遊後プレートで培養した。被検微生物はCandida parapsilosis(CP)を用いた。貧食能はday0よりday7まで高く維持され、また軽度ながら有意の殺カンジダ活性を示した。IFN-γと共に培養した場合AMの殺カンジダ活性は増強した。PMA刺激に対する、【O(^-_2)】放出は当初低下しday3よりday5にかけやや増加しその後再び低下した。IFN-γは【O(^-_2)】放出を著明に増加させた。この効果は濃度依存性で、【10^U】/ml以上で効果がみられオートクレイブしたIFN-γは無効であった。IFN-γ添加により【H_2】【O_2】産生も亢進した。AMが血清存在下にIFN-γにより活性化されることを示し、臨床的に難治性感染症や悪性腫瘍に対し有用である可能性が考えられる。また【O_(^-_2)】の除去剤、SODによりヒトAMの殺カンジダ活性は著明に阻害されその殺菌に活性酸素が重要であることが強く示唆された。次に正常及びBCG静注マウスAMに対き活性酸素生成の特性を検討した。チモザンやE(IgG)刺激ではBCG静注後のAMの方が高いがPMA刺激では、両者とも低値で差がない。AMは直接外界と接する環境下で機能しており選択的に反応することは重要である。PMAと同様Protein kinaseCを介して働くDioctanoyl glycerol+A23187による刺激に対しても【O(^-_2)】放出は低値で、細胞膜表面の受容体或は受容体から【O(^-_2)】生成系に至る課程が腹腔マクロファージとは異なっている可能性も考えられ現在検討中である。in vitroで培養すると脾細胞培養上清により活性化され炎症の場でのAMの役割を検討する上で興味深い。さらにヒト末梢血単球由来マクロファージは、in vitroに於ける殺カンジダ活性や活性酸素生成に於てヒトAMとほぼ同様の動態を示し今後末梢血単球を用いた検討も有用と考える。
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