研究課題/領域番号 |
60570364
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 修三 新大, 医学部, 助手 (30115034)
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研究分担者 |
宮武 正 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50048998)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | ミエリン / 糖蛋白 / myelin-associated glycoprotein(MAG) / モノクローナル抗体 / natural killer(NK)細胞 / 多発性硬化症 / ギランバレー症候群 / 癌 |
研究概要 |
ミエリンの微量蛋白成分であるmyelin-associated glycoprotein(MAG)はヒトの末梢血リンパ球、特にnatural killer (NK)細胞と共通抗原を有する。この点に関して60年度および61年度中に達成された成果は以下のごとくであります。 1.ヒトのMAG.に対するモノクローナル抗体の作成に成功した。19種類の抗体を得、それらの特性について検索したところ、MAGの糖鎖に対するIgG抗体とIgG抗体およびペプチド部分に対するIgM抗体の3群が得られた。NK細胞のマーカーである抗Leu-7抗体との関連について検討したところ、抗MAG抗体の中にはLeu-7に近い部分を認識するものと、少し異なった部分を認識するものがあることが明らかにされた。 2.モノクローナル抗MAG抗体を用いてインムノブロット法にてリンパ球側の検索を行った。まず抗Leu-7抗体の免疫原であるHSB-2細胞上にて、分子量の異なる数種の蛋白分子が抗MAG抗体にて認識されたことを示した。さらにヒトの末梢血リンパ球に対してアイソトープ標識抗体を反応させた後に電気泳動しオートラジオグラフィーで検索したところ、7種類の異なった分子量をもった蛋白分子が抗MAG抗体と反応することが明らかにされた。 3.抗MAGモノクローナル抗体のうち糖鎖を認識するものがinvitroにてヒト末梢血中のNK活性を低下させることを示し、抗MAG抗体が機能的にNK細胞に影響を与えることを明らかにした。 4.精製MAGを用いてELISA法にて抗MAG抗体の測定系を確立し、多発性硬化症やギランバレー症候群などヒトの脱髄疾患患者の血中にて抗MAG抗体が上昇している症例を確認した。 5.2種のモノクローナル抗体を用いてELISAによるMAGの定量法を確立した。 6.抗MAGモノクローナル抗体がヒトの肺癌組織と反応することを示し、癌とMAGとの交叉抗原性を明らかにした。
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