研究分担者 |
池田 憲昭 北里大学, 医学部, 講師 (30050660)
白鷹 増男 北里大学, 医学部, 助手 (60050639)
竹内 昭博 北里大学, 医学部, 助手 (20163371)
遠藤 恭子 北里大学, 医学部, 講師 (10118789)
宮原 英夫 北里大学, 医学部, 助教授 (20010150)
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研究概要 |
1.本研究の目的 循環系の機能は各部の血圧, 血流量などの多くの変数が複雑な力学系, 神経・体液調節系によって制御されている. 従ってモデルに基づいた循環応答のコンピュータシミュレーション技法は病的状態の定量的な診断や最適治療計画作成の為に有用である. 本研究の目的は心不全のコンピュータ支援システムに通常統用いられる計学的なデータや経験的ルールに加えて循環力学モデルに基づくシミュレーションを導入することにあった. 2.循環力学モデルの実験的並びに理論的検討 循環系のモデルにはそれぞれ単一の体・肺脈管回路と左右心室力学モデルを設定した. 心臓には多くの既報のモデルの中からEMAXモデルを採用した. このモデルに基づいて従来右心バイパスの実験の解析などに用いられている静脈還流や平均循環充満圧の概念の誤差を推定し, 動物実験的に確認した. 3.心臓学コンピュータシミュレーション支援システム(Heart)循環系の力学モデルに基づく心不全のコンピュータシミュレーションが心不全の診断治療に対して従来より精密な定量的情報を与える事を臨床データと対比して検討した後, 心不全状態のシミュレーションに心不全治療に関する教科書的知識と薬剤情報等のデータベースを付加え, よりトータルなCAI(Heart)の完成した. 本CAIシステムはデータファイル言語QRS上に作成されたテキストを中心として図表の表示, プログラムの施行, データベースの呈示などが行なわれる. テキストの内容は基本となる循環生理学, 内科学の知識ベースが階層構造を成している. プログラムはTurbo pascalによってねPc9800, またはIBM Pc/AT用に書いた. 4.結論 本CAIシステムは単なる知識の供給にとどまらず, シミュレーションによる動的応答が可能であり, 循環器学に関する医学教育, 卒後教育, 診療支援システムとして有用である.
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