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1986 年度 実績報告書

クレチン症の実験モデルを用いた骨格筋及び大脳の成熟に関する生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60570434
研究機関浜松医科大学

研究代表者

五十嵐 良雄  浜松医大, 医学部, 教授 (90010181)

研究分担者 杉江 陽子  浜松医科大学, 医学部, 医員
西田 光宏  浜松医科大学, 医学部, 助手 (70164564)
杉江 秀夫  浜松医科大学, 医学部, 講師 (60119980)
キーワード甲状腺機能低下症 / 動物モデル / カルシウムポンプ / 筋小胞体
研究概要

本年は、甲状腺機能低下ラット骨格筋におけるミトコンドリア機能及び、骨格筋より抽出した筋小胞体(Sarcoplasmic reticulum:SR)におけるカルシウムポンプ機能の検討である。
(1)甲状腺機能低下ラットにおけるミトコンドリアの呼吸鎖の酸素系(Cyto chrome'Cotidase,NADH-cytochrome Creductase,Succinate cyto cbuome Creductase)は生後14日目から活性の低下を認め生後21〜28日では正常対象の約40%の活性を示すのみであった。呼吸鎖の酸素系は全般に低下しておりある酸素の特異的抑制は存在しなかった。この生化学的結果は組識化学ですでに報告したように、NADH-TR染色でみられた網目構造の形態的成熟障害をうらづけるデータと考えられた。
(2)SRの抽出は予定していた方法により比較的順調に行った。抽出したSRは電子顕微鏡によりSR vesicleが観察されたが、少量のミトコンドリアの混入も認められた。SRにおける【Ca^(2+)】のとりこみに関しては(a)initial uptake(初期とりこみ)(b)total Ca-bound(総Ca結合能)の2つの機能に関して検討を加えた。initial uptakeは生後14日で50%、24日で25%と著明に減少していた。一方Total Ca-boundは甲状腺機能低下症で低い傾向を認めたものの、有意差は認めなかった。この結果、特にinitial uptakeの低下は、臨床的にクレチン症では腱反射でのrelaxationが遅延する事の生理学的現象と深く関連していると考えられる。またカルシウムポンプ機能に必須のCa-ATPoseは甲状腺機能低下ラットで著明に活性が低下しており、今回認められた、SRでのカルシウムのとりこみの低下の基本的要因と思われた。以上の結果は昭和61年、日本内分泌学会秋期大会(長崎市)において報告した。また現在大脳を用いた蛋白合成系へのプロジェクトを進行させている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 杉江秀夫: 日本小児科学会雑誌. 91(4). (1987)

  • [文献書誌] 杉江秀夫: 日本内分泌学会雑誌. 63. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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