研究概要 |
1.アミノ基との結合に関するinvitro試験:lysine残基側鎖及びhistidine残基側鎖と類似構造であり, 蛍光を有するmon.dansyl cadaverine(MDC), mon.dansyl histamineに対するphenol系, cimnam.c系salcylate系化合物の結合能について検討し, 感作実験の成績と比較した結果, MDCとの結合能と感作性がある程度相関性を示したこと, 結合にはε-アミノ基が重要であることがわかった. 2.モルモットの経皮感作試験:Hartley系白色雌モルモットでの感作能は, (1)ゴムの加硫促進剤の場合, DETBT, MMBT, TMTM, DMAに感作能を認めた. (2)染料中間体と調色剤の場合, アミノ基の配位が感作率に影響すること, ニトロ基の添加により感作率が著しく低下することを認めた. (3)合成香料のlily aldehyde, cyclcmen aldehydeともに感作能を認めた. (4)基剤の感作に及ぼす影響を検討した結果, isoeugenol, acetyl isoeugenolの場合, 白色ワセリンが, cinnaric aldehyde, cinnanic alcohdの場合, w/oクリームが, hydroxy cltronellalの場合, o/wクリームが感作用試料の基剤として最適であることを認めた. 接触皮膚炎患者のパッチテスト:(1)lily aldehyde, cyclamen aldehydeのパッチテスト成績は陰性で, モルモットの経皮感作試験成績とは相関しなかった. (2)化粧品皮膚炎, 染毛剤皮膚炎, ゴム皮膚炎等の場合, それぞれの原因となりうる諸成分のパッチテスト成績とモルモットの感作試験成績はかなり良く相関した. 3.ランゲルハンス細胞の動態:C3H/Heマウスを用いた4種のphenol系化合物の感作実験では, 1回法でisoeugenol(IE)のみ, 3回法でIEとacctyl isoeugenol(AIE)が感作された. 6回法ではIEとAIEがさらに強く感作された. 以上のことからIEはAIEより強感作物質であることがわかった. eugenolとmethyl isoeugenolは6回法でも感作しなかった. また, それぞれの感作物質によるLaugelhons細胞の表皮内の数の経時的変化を測定した. IE, AIEを6回感作したもののみで4時間後に軽度減少をみた.
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