研究分担者 |
野村 誠 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
山崎 義光 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40201834)
鮴谷 佳和 大阪大学, 医学部, 助手 (20144462)
七里 元亮 大阪大学, 医学部, 助教授 (00028515)
MONURA Makoto Osaka University Hospital
|
研究概要 |
非観血的に血糖値を連続的にモニターすることを目的として微小針型ブドウ糖センサを世界にさきがけて開発した。本センサ特性をin vitro,in vivoにて追究、その有用性を証明した。 1)微小針型ブドウ糖センサの機能劣化防止と長寿命化:生体内留置センサの寿命の延長をはかるべく、生体膜の構成成分変更,成形条件の変更を試みた。その結果、最外層膜としてポリビニールアルコールに比し、アルギネート-ポリリジン-アルギネート三層膜の適用が、センサ耐用性の面で優れることを認めた。 2)Wrist-watch type血糖モニター・システムの開発:センサを血管内あるいは皮下組織内に留置、腕時計部に計測値を常時real-timeでディジタル表示するとともに、セットした範囲以外の計測値が入力された際には、高血糖,低血糖アラームとして警報を発する血糖モニター・システムを試作し、臨床応用に供した。 3)血糖モニター・システムの臨床応用と問題点:皮下組織内にセンサを留置、日常生活を営ませた際、筋肉の収縮、地綬等に一致してノイズが混入することがある。ノイズ特性を把握し、ノイズ・フィルターをソフトウェア的、ハードウェア的に作成、ノイズ除去に成功した。 本システムは糖尿病患者の日常生活を妨げることなく、数日間にわたってminute-by-minute basisで血糖応答反応を追究する手段となる。その適用により、入院患者の、同-インスリン投与量,投与法,同-食事時においてすら、血糖日内変動の日差変動が著しく大なることを認めた。本現象は、治療制御技術における血糖頻回計測に基づく治療入力の修正が、生理的血糖応答動態再現の上で必須であることを如実に示すものである。
|