研究概要 |
1.白血病細胞表面抗原の測定および白血病細胞purgingの至適抗体濃度の検定におけるmicrocytotoxicity試験の応用:UCLAのTerasaki研究室のモノクローナル抗体、CIA,CB2,CT2,141,CAML1,CMI,CBL1,CBL2,CALL2,CALL1,125,CG1の各抗体をHLA測定用のマイクロプレートの各welLに入れ、検査対象とする90%以上の白血病細胞を有する検体を注入し、さらに補体を加えて、補体結合性細胞毒試験を行った。フローサイトメトリー法でJ5陽性を示した白血病細胞はいずれもCIA,141の抗CALLA抗体により細胞障害を受けた。また、臨床応用のために大量入手可能な抗CALLA抗体であるNU-N2で、J5陽性白血病細胞を同様の方法で測定したところ、NU-N2の80希釈まで陽性を示した。従って、microcytotoxicity試験で白血病細胞表面抗原の検索と同時に、そのpurging操作における至適、必要抗体濃度を検定することが可能と考えられた。 2.微小環境下のマウス凍結骨髄細胞の分化増殖に対するisoproterenoLの影響:in vitroでのisoproterenoLの至適濃度は【10^(-13)】Molで、液体培養による微小環境下の4日目で、凍結解凍骨髄細胞にisoproterenoLを加えた群のCFU-c/dishは65±10であるのに対して非添加群では43±4であり、同様にCFU-s/1×【10^5】では20±2に対し12±3で、isoproterenoL群の平均コロニー数の増加がみとめられた。以上より抗体処理,凍結解凍等の操作を受けた骨髄細胞のisoproterenoL添加は有効と考えられた。 3.自家骨髄移植のpreconditioning法の臨床的検討:悪性リンパ腫5例を対象とし、ADM150mg、ACNU50mg/日×2日,Ara-C100mg/12時間毎×4日,BLM15mg,CY40mg/kg/日×3日よりなるAAABC療法にTB1を加えた方法を行った。本法で治療抵抗性の症例に対して全例、自家骨髄移植後に完全寛解が得られた。
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