研究課題/領域番号 |
60570592
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森本 忠興 徳島大, 医学部, 講師 (10112244)
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研究分担者 |
入谷 忠光 工業短期大学部, 電気工学科, 助教授
木内 陽介 工学部, 電気工学科, 助教授
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キーワード | 乳腺腫瘍 / 電気特性 / インピーダンス / 診断法 |
研究概要 |
生体の電気特性が組織の構造により異なることを乳腺腫瘍の診断に応用する目的で、乳腺腫瘍の電気インピーダンス測定をin vivo行なった。 同軸2極針電極を術中直視下に腫瘍内に刺入し、これと被検者上腹部に置いた平板電極を組み合わせて、3電極を構成した。針電極の外側導体と平板電極間での電圧応答を測定し(パルス応答法)、インピーダンスの大きさ(以下Z)を求めた。測定には、自作のインピーダンス測定装置を用い、測定に必要な制御、データ収集、信号処理はコンピュータにより行い、測定の迅速性、確実性をはかった。生体の等価電気回路に基づいた細胞外液抵抗(以下【R_1】)、細胞内液抵抗(位下【R_2】)、細胞膜容量(以下C)、の3成分を比較するために、測定値を用いた円線図より【R_1】、【R_2】、Cの値を算出した。さらに、腫瘤最大割面の病理組織像より間質の占める面積比を計測し、【R_1】と比較した。 対象症例は、徳島大学医学部第2外科で切除術を受けた乳癌22例、線維腺腫13例である。その結果は以下の如くであった。 1)乳癌の10KHzでのZは、線維腺腫例およびその腫瘍周辺乳腺組織のZより有意に大きかった(p<0.001)。また、それぞれの腫瘍の10KHzでのZはRに近い値を示した。 【R_1】、【R_2】の値は、乳癌例で有意に高く(p<0.001)、Cの値は線維腺腫例で有意に高かった(P<0.001)。 3)腫瘤最大割面における間質の占める割合とRの間には有意な相関関係を認めた。 以上より、乳癌と線維腺腫では、細胞外液抵抗、細胞内液抵抗、細胞膜容量それぞれに差を認めることがわかった。したがって、これらをパラメータとして乳腺腫瘍の電気特性を比較することにより、乳腺腫瘍の診断応用への可能性のあることが、示唆された。
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