研究課題/領域番号 |
60570611
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
森口 隆彦 川崎医大, 医学部, 助教授 (10111816)
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研究分担者 |
河村 進 川崎医科大学, 医学部形成外科, 助手 (00161365)
谷 太三郎 川崎医科大学, 医学部形成外科, 教授 (90098616)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 創傷治癒 / 肥厚性瘢痕 / 肥満細胞 / 瘢痕拘縮 |
研究概要 |
熱傷や外傷後は、皮膚の創傷治癒をもって一旦その外表は修復されるが、時に治癒過程が遷延し、臨床的に肥厚性瘢痕とか瘢痕拘縮と言った形態を残すことがある。 実験動物においてはこの肥厚性瘢痕は生じないし瘢痕拘縮という病態を見ることもまれである。実験動物に肥厚性瘢痕を形成できると、以後の実験が進むと考え、サルの腹部にデルマトームによる皮膚欠損創を作成した。 サルの腹部における創部の治癒過程を研究したところ、第1に大きな影響を与えたのは創縁の収縮という現象であった。サルはヒトに比較し多くの毛包を持っているため、上皮形成がそれだけ早い訳だが、創の収縮による面積の縮少の方がさらに目立った。 サル腹部の皮膚欠損部における肥満細胞は、採皮後4日目までは減少し、以後徐々に増加し、採皮後11日目には正常値近くになり、さらに増加の傾向を示した。皮膚の緊張の強い大腿部では、術後3ヵ月目でも肥満細胞数は増加したが、腹部の余裕のある皮膚においては、3ヵ月目には正常値よりもむしろ減少していた。 これらのことから、臨条的,病理組織学的にみて、瘢痕組織における結合組織の増加と肥満細胞数の増加とは何らかの関係があるように思われた。
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