研究課題/領域番号 |
60570627
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
阿曽 弘一 北里大, 医学部, 教授 (00050310)
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研究分担者 |
刑部 恒男 北里大学, 医学部, 講師 (60146404)
横田 和彦 北里大学, 医学部, 講師 (40112669)
中山 義介 北里大学, 医学部, 助手 (90155896)
佐藤 光史 北里大学, 医学部, 講師 (40118815)
内田 久則 北里大学, 医学部, 助教授 (30050420)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | イヌ同所性同種肝移植 / 長期生存 / ciclosporin / mizoribine / vanishing bike duct syndrome / 血管系合併症 / 胆道系合併症 / 膵十二指腸移植 |
研究概要 |
A.イヌにおける同所性同種肝移植で長期生存をめざし、mizoribineあるいはciclosporinによる免疫抑制を行ったところ、次のような成績を得た。(1)無処置対照群(n=5)の生存日数は10.0±2.9(mean±SE)日で、mizoribine群(n-15)は44.6±31.8日、ciclosporin-mizoribine群(n=12)は145.4±70.8日であり、最後の群のうち2頭は438日および810日と生存中である。mizoribine群は対照群との間で生存期間の有意の延長は認められなかったが、ciclosporin-mizoribine群は、100日以上の生存をすべて100日とすると、対照群より有意に生存期間が延長した(p<0.02)。また、移植後20日の時点で生存率を比較すると、ciclosporin-mizoribine群は、mizoribine群より生存率が有意に良好であった(p<0.05)。(2)移植肝の阻血、急性あるいは慢性拒絶反応、肝動脈血栓、胆道系合併症などにおいて、それぞれ特有の検査所見が得られたが、確診のためには、各種画像診断法、組織学的検査を併用する必要があった。(3)慢性拒絶反応においては、イヌではきわめてめずらしいvanishing bile duct syndromeを経験した。B.血液透析へ導入されたタイプ【I】糖尿病に対する治療法を開発する目的で、イヌを用い膵十二指腸単独移植、膵十二指腸および腎合併移植、腎単独移植を行い、生存成績を比較した。免疫抑制剤としてciclosporinを用いた結果、膵十二指腸単独移植(n=17)は104.4±26.4日、膵十二指腸および腎合併移植(n=11)は31.9±8.1日、腎単独移植(n=5)は54.0±17.9であった。このことから、盲目的免疫抑制では、明らかに膵グラフトは腎グラフトより長期生着する。また、膵腎合併移植において直接死因になったのは腎の拒絶反応で、膵の拒絶反応は軽度であった。したがって、拒絶反応の診断治療が効果的となれば、膵移植成績は向上する。
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