研究課題/領域番号 |
60570649
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
木村 壮介 自治医大, 医学部, 講師 (30118450)
|
研究分担者 |
福島 鼎 自治医科大学, 医学部, 講師 (90049023)
原田 三紀夫 自治医科大学, 医学部, 助手 (30156517)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | 左心バイパス / 補助心臓 / Tensiontime index / Counterpulsation / Man-machine interaction |
研究概要 |
補助心臓としてのLA-Ao bypassにcounterpulsation(Cp)を加味した、1unitのdevice"Single-Valved Assist Device(SVAD)を開発し、その特性及び補助効果を検討した。Deviceの基本構造は、従来のbypass pumpから流出側弁を取り去り、流入側の1個の弁とpulsatile chamberから構成され、bypass pumpとしての効率は劣るが、流出側におけるaortaからの逆流により強力なsystolic unloadingを可能にしている。基本特性を検討するための水槽実験から、1.流出側弁がないために、deviceの拡張期には流入流出の両側より吸引が行なわれ、Cpを伴ったbypassが可能である。2.流出側における逆流の程度は、血圧の上昇と共に増加する傾向を有し、従って駆動条件が固定されていても、「血圧低下に伴いbypass量が増加、血圧上昇に伴ってbypass量は減少、Cpとしてのsystolic unloading効果が増強する」という特性を有している。3.bypass pumpとしての効率向上のためには流入側弁にはleakageの少ないものを選択する必要がある等が判明した。心筋梗塞犬に対しSVADと従来のsynchronizedLA-Ao bypassを施行、補助効果を比較検討した結果、同流量のnear-total bypass補助において、1.SVADはtension time index(TTI)で示される左室の圧仕事量の軽減効果の上でのbypass流量の変動に対しては、synchronizedLA-Ao bypassが従来の報告に一致し、TTIの減少効果が軽度のみであるのに対し、SVADではbypass流量増加に対応するTTIの減少効果が著明であった。以上から、SVADは、従来の方式と比べ、TTI軽減効果の上で、自然心にとって原理的に有利な補助方式であることが、判明した。
|