研究課題/領域番号 |
60570655
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
佐古 和廣 旭川医大, 医学部, 助手 (80113736)
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研究分担者 |
相澤 希 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40167763)
由良 茂貴 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60191483)
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キーワード | 脳梗塞 / 脳虚血 / 脳血流 / 脳グルコース代謝 / 中大脳動脈閉塞 / SEP / オートラディオグラフィー |
研究概要 |
60年度はラット中大脳動脈閉塞再開通モデルにおいては、不可逆性変化へ移行する3時間は虚血後30分から2時間の間に存在することを明らかにしたが61年度は1時間閉塞後再開通させ、又2時間後に組織学的変化を観察したところ、全例に脳梗塞巣は認められなかった。 次の段階として、ラットを1時間閉塞と2時間閉塞群に分け、それぞれ体性感覚誘発電位(SEP)を経時的に測定し、一部のラットにおいては同時に【^(14)C】-DGオートラディオグラフィー法により、グルコース代謝も測定した。結果はMCA閉塞直後に全例SEPが消失し、一部(約9%)のラットはSEPが部分的に回復するが大多数は消失し、1時間閉塞再開通ラットでは、再開通30分後にSEPの完全回復が認められるが、2時間閉塞再開通ラットではSEPの部分的回復しか認められなかった。 一方、グルコース代謝の方は、1時間閉塞再開通群では再開通30分後においてすでに知覚運動野のグルコース代謝は、対側の78%にまで回復したのに対して、2時間閉塞再開通群においては再開通30分では、対側の34%までの回復しか認められなかった。(第29回脳循環代謝研究会、1986年10月、東京において報告) 以上のことにより、虚血急性期の脳の組織学的可逆性の指標として、SEPグルコース代謝が有用であることが示唆された。
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