研究課題/領域番号 |
60570660
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中川 邦夫 筑大, 臨床医学系, 講師 (40092077)
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研究分担者 |
吉井 与志彦 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50110507)
能勢 忠男 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10009699)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | モノクローナル抗体 / 悪性神経膠腫 / ヒト免疫グロブリン / マウス-ヒト細胞融合 |
研究概要 |
モノクローナル抗体の臨床応用を考える時にはヒト免疫グロブリンが必要であり、ヒト-ヒトの系或いはマウス-ヒトの系でのモノクローナル抗体の作成が必要となる。そこで本研究ではヒトモノクローナル抗体の作成を目的とした。(材料と方法)ミエローマ細胞:ヒトミエローマ細胞IB-5(国立予研 千葉 丈博士より供与)およびマウスミエローマP3U1(千葉大免疫谷口 克教授より供与)を使用した。ヒトリンパ球:悪性神経膠腫患者の末梢血を採取し、比重遠沈法によりリンパ球を分離した。細胞融合法:Milsteinらの方法に従って、ポリエチレングリコールの存在下に細胞融合を行いHAT選別を行った。抗体のスクリーニングには、抗ヒトIgG抗体を用いてオクタルニー法によってヒトIgGを検出した。免疫組織学的検討:PAP法によりペルオキシダーゼ識識抗ヒトIgG抗体(P-anti human IgG)を2次抗体として、間接法により判明した。(結果および考察)1.ヒト-ヒトの系では細胞融合は成功せず、マウス-ヒトの系を用いてIgGを作成した。2.29種類のヒトIgG産生細胞を得た。3.10種類のヒトIgGは、5例のヒト神経膠腫全てに陽性であったが、髄芽腫2例、転移性脳腫瘍1例は陰性であった。4.10種類のヒトIgGはほぼ同程度の陽性率であった。5.P-anti human IgG単独でも神経膠腫が陽性であり、B細胞とグリア細胞の交又反応が認められた。6.予め抗ヒトIgG抗体を作用させてB細胞との交又部をブロックした後に、培養上清を作用させたところ陽性細胞が増加したことから、培養上清にはヒト悪性神経膠腫に対する抗体が含まれていることが明らかになった。 今後は精製を行い、さらに多くの腫瘍パネルと正常組織との反応を検討し、神経膠腫特異性について追求したいと考えている。
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